先程造り出した線は『ファイヤアロー』と呼ばれる火属性魔法の一つ。炎をまるで矢のように造り出す初級魔法の一つである。魔法の原理、どうやってこのように使用するのか・・・それはいずれ話すとしよう。
 炎の矢はイノシシに向かって突き進む。しかし炎の矢はイノシシを通りすぎ、木に突き刺さる。するとまるで役目を終えたように炎の矢は崩れていった。
「あれっ・・・ヒィッ!」
ショーはまた小さな悲鳴をあげてイノシシの突進を避ける。ショーはすぐに体制を立て直すと、右手の指先が赤く輝きだす。その状態で風を切ると、赤い線が五本現れた。そして左手の指を使って、音を鳴らすと、五本の線いや五本の炎の矢はイノシシの突進と同じ速度で突き進む。しかし五本の矢は全て外してしまう。
「あぁもう・・・」
ショーは自分の不甲斐なさに苛つくが、イノシシの猛攻は止まらない。ショーは五回目の突進を避け、地面に突き刺さったナイフを抜き取る。と同時に左手の人差し指の先が輝きだす。しかしそれは先程の様な赤のかがやきではなく、青く輝いていたのだ。
「これならどうだ!」
ショーはそう叫びながら左手の人差し指を使って風を切る。すると光が残像を残し、そこに青い線が現れる。それも線ではなく、氷の塊で出来ている様だった。それもそのはずこれは氷の矢なのだから・・・
 これは『アイスアロー』と呼ばれる氷属性魔法の一つで、その名の通り氷の矢を造り出す初級魔法だ。
 ショーは右手の指を使い、音を鳴らす。
パチン、
すると氷の矢はイノシシ目掛けて突き進む。しかしこの攻撃はイノシシの手前に刺さり、当てることは出来なかった。だがそこからカチカチと音をたてて地面が凍ったのだ。イノシシはその凍った部分に前足を引っかけ、転倒する。ショーは転倒した隙をついて、イノシシの体にナイフを突き刺す。イノシシはブヒィブヒイと抵抗するがショーは手を離そうとはしなかった。そして・・・
プギィヤァーーー、
イノシシは絶叫をあげながら抵抗を止め、動かなくなった。ショーはゼェハァと肩で息をしながら両手をあげる。そして叫んだ
「エゾリイノシシを採ったどーーーー!!」
それはアカデミーの頃に流行っていた言葉で、ショーは叫びたくてウズウズしており、めでたく達成することが出来た。
「しかし・・・恥ずかしいな・・・これ・・・」
ショーはそう呟くとイノシシに突き刺したナイフを抜く。一瞬蘇るのではという恐怖もあったが、イノシシは動かないのでショーは安心した。その後ナイフを使ってイノシシを解体した。