歩き始めて何時間がたっただろうか・・・ショーはゼェハァと息切れしながら向こう側を見るが、村があるとは思えなかった。
「何がすぐそこだ!」
ショーは大声で叫ぶが、誰がその声に反応するわけでもなく、ただ虚しさだけがショーのまわりを包んだ。
「仕方ない。今日はここまでにしよう」
ショーはそう言うと、近くにあった岩の上に座る。そして背負っていたリュックをおろし、中を確認する。しかし食料と呼べるものは無かった。ショーはその現状にため息を吐く。
「やっぱりヤードで貰ったスープ・・・飲みきるんじゃなかったな・・・」
呟きと同時に、ショーは再びため息を吐こうとした。その時だった。
ガサガサッ、ガサガサッ、
近くの木々、草が揺れる音が聞こえてきた。突然の音にショーは驚いてリュックを落とす。音はどんどん大きく・騒がしくなる。
ガサガサッ、ザッザッガサッ、ガサカサッザッ、
ショーはベルトに挟んであったナイフを抜き取る。これは旅を始めた時に護身用として村で買った物だが、抜いて構えるという行為をするのは初めてだった。ショーはセイフィールアカデミーで学んだ剣術の授業を思い出す。
(
確か・・・相手の隙をつくとかなんとか・・・剣は囮で本来は魔法を駆使するとか・・・あぁ、焦るな・・・焦るな・・・)
ショーは心の中で何度も呟くと、
プギィヤァーーー!
突然の鳴き声。と同時に姿を現した。鋭い牙、体長3メートル、ショーの背丈の倍近くはあろうかと思われる。それは巨大なイノシシだった。