重厚な金属の扉の開く音と、彼女のすっとんきょうな言葉が倉庫の中にこだまする。
「ちょっとセイロン!あんたまた弁当持っていかんと家でたでしょう!!」
ズカズカと迫ってくるその女性を俺は知っている。
「だから、あんな茶色いおかずしか入ってないシケた弁当いらないっていつも言って・・・じゃねぇ!!ちょ・・・!待っ!!今取り込み中っ!!」
彼女の名前はリー・スーシー、関係性はいたって簡単・・・母親だ。
「なっ・・・!」
突然のことに銃をこちらに向けたまま振り返る黒服の男達。
それをみて何かを悟ってしまったうちの母親。
・・・最悪だ。
「・・・!あんたら・・・うちの子縛って銃突きつけて、何を!しようっていうのかしらぁぁ!?」
母が跳んだ。
セリフを言いきらずに「何を!」の時点で跳び、「かしらぁぁ!?」の時点では黒服の一人の顔面には痛烈な膝がめり込んでいた。
「こう見えてあたしゃ若い頃は雀荘の大フクロウと呼ばれたカンフーの使い手だよっ!そんな豆鉄砲ごときであたしを仕留めようなんて!10年早いわ!!」
凄いんだか凄くないんだかわからん。つーか、今まで聞いたこともない異名を口走りながら瞬殺で黒服を制圧する母親。
しまいには黒服のうちの一人に馬乗りになって拳を浴びせはじめた。
黒服は泣きながら「勘弁してください!勘弁してください!」と繰り返している。
ってかボーッと見てる場合じゃねぇ・・・!
「待ってくれおふくろ!これは映画の・・・!」
「かあぁぁぁっと!!」
俺の声を遮るように高い声が響いた。



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