突きつけられた冷たい鉄の塊-軽く引き金に指を掛け、撃鐵を落とすだけで、死は打ち出され・・・もたらされる。

まるで不公平(アンフェア)

相手の労力に対して、俺が受ける結果がまるで釣り合わない-なんとも釣り合わない話だし、釣り合わない道具だ。

いや、釣り合わないというより理不尽だ。

あぁ、これも違う。そもそも理不尽なのは、この状況そのものだ。


さて、なぜこんな状況になったかを再認識する必要がありそうだ。何の解決にもならないが過去に対して愚痴を言うのには意味がある-え?いや、当然ながら現実逃避ってやつで・・・。とあるイギリス貴族様の依頼から【事】は始まる。


香港という土地は中国であって中国ではない・・・という時期もあった。イギリス領・・・香港。返還された今となってもその影響力は強い。イギリスという国は歴史的にみて一度も滅びを知らない。

ジャンヌダルクに手痛い大敗を喫しても、スペインの大艦隊に脅されても、イギリスは戦争に致命的に負けたことは一度もない。

故に彼らは、普段協調性があっても根元の所では頑として譲らないプライドの高い奴らだ。それはEUに加盟しながらも、ユーロが発行された今だって、ポンドを使い続けていることからもわかる。何が言いたいかと言えば、依頼主のイギリス貴族も、例に漏れずそういう女性だったと言うことだ。では回想に入るとしよう、3日前の夜の事だ・・・。



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