それから数十分後。俺達は地下鉄西中島南方駅のホームにいた。西中島南方という名前が不思議に思った人もいるだろうが、この駅名になった理由があるのだ。昔、周辺住民からかつて存在した西成郡西中島村に由来する「西中島」と、西中島村内の大字に由来し、阪急の駅と同名である「南方」との2つの案が提示されていたが、両案を合体させる形で決着した経緯がある。異なる地名が合体する例は大阪市営地下鉄の駅名ではよく見られるが、当駅が日本初の事例だそうだ。
まぁそんな無駄知識はよしとして・・・
「凄い人の数ですね・・・」
血糊は駅に降りた人だかりを見て、そう言った。まぁ無理もない。今日の花火大会目当てでどれだけの人数が見に来るのか・・・
「何で今日なのかな・・・瑠璃ちゃんの意地悪!」
麻里亞は探偵社の一件のことでイライラしていた。
「仕方ないですよ。早く依頼者の落とし物を見つけてしまいましょう」
血糊はそう言うが、血糊の格好は何故か浴衣だった。瑠璃が帰った後、すぐに花火を見られる体制にするため、麻里亞が着替えさせたのだ。しかし着ている血糊はまんざらでもない様子である。したがって俺は血糊の胸ポケットではなく、血糊の頭にのっている。これが結構大変で、一歩間違えれば転落してしまう。そうならったら・・・想像するだけで恐ろしい・・・
「ともかく、手分けして探しましょう」
「そうだね、見つけたら連絡しよう」
「じゃあ行きましょう!」
こうして落とし物探しが始まった。