人間は不思議な生き物である。一つの物を分けて、片方ずつで持ったりするからだ。その良い例としてペアペンダントなる物がある。一つのハートを二つに割って、それを恋人同士でつけるという物だ。俺からすればそんな物作って何になるのやら・・・ネズミの場合分ける考えがないからな。生きるために独占する。そんな生き物さ。
 まぁ今回は片割れ同士がくっついて、一つの形になるという話だ。ちなみにくっつくのは人間じゃないぞ。心の方だ。別れていた心が引っ付いて、一つの心になる。そんな話だ。


 この話は麻里亞の制服が夏服になった時から始まる。
 まぶしい太陽に照らされて、俺は目を覚ます。その日の俺は机の上で眠っていて、太陽の光がこれでもかと照らしつけてきた。俺は目を擦りながら、机から降り、俺専用の洗面所台で顔を洗い、そのまま食卓へと向かう。食卓にはトーストとスクランブルエッグが三皿用意されていた。
「あっ、マウスおはよう」
俺の姿を見つけた麻里亞はそう言いながら、サラダを三皿置いた。よく見たら麻里亞の制服が代わっていた。
「あれ・・・今日から夏服か?」
「そうなの。このところ暑かったからもう大変で・・・でもこれで少しは暑さは免れるかな?」
麻里亞はそう言いながら、ファッションショーのような動きで俺に夏服を見せびらかした。
「マウスは大変だね。服が脱げなくて・・・」
「あぁ・・・それだけは後悔してる
「じゃあ今度麻里亞がマウスの毛をバリカンで取ってあげるよ」
その言葉を聞いて、俺はあるものが頭を過る。それはテレビで見た毛を剃られたネズミだった。
「お気持ちだけ受け取っとくよ・・・」
そう言って俺は食卓の上に登った。
「せっかくやってあげるのに・・・」
麻里亞・・・さすがに毛無しは嫌だろ・・・絶対お前も剃った後に悲鳴をあげそうだしな・・・