後日の話だ。あれ以来郷田とは会っていない。生きているのか死んでいるのかも分からない。ただ俺はひっそりと生きている気がした。そうそう置いていったお金は全てユニセフやら赤十字団体に全額寄付した。盗んだお金だ。そういった使い方をするのが一番だろう…で、依頼を達成した俺達はと言うと…
「お仕事お疲れ様です。約束通り今月の家賃はタダです。それと予想以上の依頼料だったため、ボーナスを渡します」
そう言って瑠璃はテーブルの上に札束を置いた。金額にして三百万ぐらいだろう…
「すごい…お金の束を初めて見たかも…」
麻里亞は目を輝かせながらそのお金を見る。帰ってきた時の麻里亞の涙目はどこえやら…
「うーん、ボーナスは嬉しいが…こんなにはいらないな…」
俺は率直な感想を述べ、札束から五枚の一万円を抜いた。
「これだけでいい。後は来月分の家賃に回しといてくれ」
「えっ、何言ってるのマウス!!」
「来月依頼が無かったらどうするんだ?」
「そっ…それは…」
「私もそれで構いません」
「血糊君も…ハァ」
「これでいいか瑠璃?」
「分かりました。残りは来月の家賃に回します」
「そうそう…一つ確認したかったんだが…」
「何かしら?」
「今回の依頼だよ。何で俺達に任せた。お前の探偵社員に任せなかった。そうすればボーナスだってお前達の物になってたんだぞ?」
「あぁそれね…簡単ですわ。この依頼は私達の探偵社向けじゃないってこと」
「えっ…それだけか?」
「そうよ。それに誰もしたがらないだろうし…」
その言葉に俺は唖然としていた。瑠璃探偵社…やはり謎だらけだ。
その後俺達は瑠璃の探偵社を後にして、トボトボと歩いていた。「何か納得いかないな…」
「まぁまぁ…そう言えば雨降らなくなりましたね」
「あぁ、梅雨が終わったんだろう」
「と言うことは夏だね。麻里亞は四季の中で夏が一番好き!」
「何でだ?上手い物が多いからか?」
「違うよ。夏は楽しむイベントが一杯あるからだよ!!」
「へぇ、楽しみですね」
血糊も麻里亞の言葉を聞いて嬉しそうにする。俺は蒸し暑くなる季節に小さなため息をついた。
それからだが…郷田とは違う形で再会することになるのだが…また別の話だ。
おわり
次の話へ続く・・・