夜八時過ぎの港。表上は様々な物が輸入してくる港。裏では様々な物が密輸されている。そんな港に俺と血糊はトボトボと歩いている。灯台の光が船の出迎えをしている中、血糊は俺に尋ねてきた。
「マウスさんテーブル…何でこの港が怪しいと?」
「うーん、これは推測だが…まず郷田はヤクザのお金を盗み逃亡したと聞いてる。かなりの額を盗んだと思う」
「それがこの場所と何が共通するんですか?」
「お金を盗むのはいいが、隠すのが問題だ。それも額が大きければ大きいほど…」
「確かに…多いほど運ぶのは大変です。それなら隠した方が良い」
「そう、だから郷田はお金を隠した。この港の倉庫に!」
「何故ここが怪しいと?」
「一週間前にこの港から現金が見つかった事件があった。多分郷田が不注意で落としたお金だろう。けど郷田は臆病と聞いている。見つかったとしてもここから離れてないだろう。普通なら船に乗ってトンズラしてる」
「霧宮さんの話が正しければそうですね…飛行機や船、車には乗らないと…」
「きっと郷田は極度の乗り物酔いだ。まぁそうじゃなければさっさと離れてるよ」
「そう考えると…マヌケですね」
「あぁ…まぁ事情はどうあれ、俺達は仕事をするまでさ」
俺が言うと同時に血糊は足を止めた。何かに気づいたのか血糊は辺りを見回す。
「どうした?」
「私達の他に誰かいますね。それも複数…」
「本当か?」
「きっと真霊会の人でしょう…」
「まずいな…早く探さないと…」
俺は血糊の胸ポケットから顔を出し、倉庫を見る。すると扉が開いていた場所から人影が映った。ちなみにネズミは夜行性なので暗いところでもはっきりと映っているのだ!
 まぁ自慢はこれぐらいにして、俺はすぐさま血糊に伝える。
「血糊、扉が開いてる倉庫から人影が見えた」
「本当ですか?」
「あぁ、早く行こう」
俺はそう言うと、血糊は静かに歩き、倉庫の扉を開けた。倉庫の中は暗く、人がいる気配がなかった。
「郷田、いるのは分かってる!返事をしろ!!」
俺は自分の中で最大の声で叫んだが、返事は返ってこなかった。まぁ当たり前と言えば当たり前だが…それでも俺は大声で叫ぼうとした時だった。
バキッ、ドサッ、
何かが折れる音と、倒れる音が聞こえた。血糊は恐る恐る音がした方に近づき、音の正体を見つける。そこにあったのは折れた梯子の残骸と大の字で倒れている大男だった。
「マウスさん…」
「あぁ間違いない…こいつが郷田だ!」