発売:1969年4月 価格:19万3,000円
【モトクロスで鍛えた技術がハスラーを生んだ】
ヤマハトレールDT1の衝撃的なデビューから1年後の1969年4月、スズキはオフロードモデルのハスラーTS250を発売。すでに65年からモトクロス世界GPに参戦を続けてきたスズキは、初のオフロード専用設計モデルであるハスラーTS250の随所に最先端の技術を投入。フレームにはモトクロス世界GPで培われた技術力をフィードバックした軽量・高剛性に優れるセミダブルクレードルタイプを採用、フロント19インチ、リヤ18インチのブロックパターンタイヤを装備。チェリアーニタイプのフロントサスペンションはストローク165mm、リヤ80mmと十分なストロークを与えられていた。メッキパーツも多用されて豪華さも兼ね備えたモデルであった。価格もDT1と同じ19万3,000円に設定、発売と同時にヤマハDT1のライバルとして存在感と実力をアピールした。
中低速域を重視した排気量246ccの2ストローク・ピストンバルブエンジンは、鋳鉄スリーブを鋳込んだアルミシリンダーを採用。放熱効果を高め、長時間の過酷なライディングにも対応できる設計で登場。マフラーはDT1と同じく右出しのアップマフラーで、キャブレターはミクニVM28SC。最高出力もライバルのDT1と同じく18.5ps/6,000rpmで、登坂能力35°、最高速度は120km/hをマークした。
ヤマハと同様にスズキもハスラーTS250にモトクロス用のキットパーツを設定。組み込むだけで最高出力は25psに向上し、モトクロスでもDT1の好敵手となった。なお、ハスラー(勝負師)のネーミングは日本のみで、アメリカではサベージ(野性の)と呼称されていた。
《スズキ ハスラーTS250主要諸元》
エンジン:空冷2ストローク単気筒
排気量:246cc
ボア×ストローク:70mm×64mm
圧縮比:6.6
最高出力:18.5ps/6,000rpm
最大トルク:2.36kgm/5,000rpm
最高速度:120km/h
変速機:5速リターン
始動方式:キック
全長×全長×全高:2,120×880×1,145mm
軸距:1,380mm
車重:136kg
タイヤ:前 3.25-19・後 4.00-18
Photos Nen Uchida

ヤマハトレール250DT1が発売されてから1年後の1969年に、
モトクロス最強メーカーだったスズキは、ハスラーTS250を発売した。
DT1とともに国内のオフロードモデルの火付け役となった。

排気量246ccの2ストローク・ピストンバルブエンジンは
中低速域を重視の最高出力18.5ps/6,000rpm。
アルミシリンダーや5速ミッションを採用。
キャブレターはミクニVM28SC。

メッキが多用されたメーターまわり(写真は輸出用モデルでマイル表示)。
特徴的なカマボコ型ヘッドライトも70年代半ばまでのスズキの顔。
輸出用モデルのハンドルのブリッジ部分には角形の意匠が施されていた。