Honda CRF250L 試乗レポート | nen's blog

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■いよいよ5月14日発進! 価格は44万9,400円!
昨年暮れの東京モーターショーと3月の東京モーターサイクルショーに出品された
ホンダのオン・オフロードモデル『Honda CRF250L』が、5月14日に発売される。
発売に先立って、先日プレス関係者の試乗会が行われた。
このCRF250Lは、ロードモデルCBR250Rと同じエンジン(MD38E)を搭載し、
タイ工場で生産されたニューモデルだ。
ホンダは、2020年に向けて「良い商品を早く、安く、低炭素で実現する」ことを目指しており、
その第1弾が2月に発売されたNC700Xだった。700ccのビックモデルでありながら、
400ccモデルより10万円も安い649,950円の低価格は、不景気な社会に一石を投じた。
今回のCRF250Lも低価格が最大の魅了といえる。
その気になる価格は、同社のオフロードモデルXR230より5万円ほど安い44万9,400円(税込)!

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■フルサイズで充実した装備
ホンダは2007年にXR250の発売を最後に、フルサイズのオフロードモデルを生産していなかった。
そのため、CRF250Lは5年振りのフルサイズモデルの登場となる。
そのフォルムは本格的な倒立フォークやオーバルタイプのダウンチューブフレーム、
アルミ鋳造スイングアーム、それにニューデザインが加わって存在感は十分。
自然なポジションでスリムな車体とシート形状はスタンディングや体重移動に支障はないが、
誰でも楽しめる…というイメージにしてはシート高(875mm)が意外と高い。
オフロードモデルとしてみれば当たり前の高さなのだが、
身長170cm、体重63kgのボクで、ツンツンつま先で両足が着く程度。
オフロードモデルに乗り馴れていればさほど抵抗はないが、
ビギナーや小柄な人には、このシート高はいささかきつく感じられるかもしれない。
CRF250Lのこのサイズは、国内のみならず欧州などでも発売されるため、
世界基準サイズとして作られているからでもある。
しかし、心配することはない。HMJ(ホンダ・モーターサイクル・ジャパン)から発売予定の
ローダウンキットを組み込めば、シート高が45mmも低くなるのだ。
ローダウン仕様にも跨がってみたが、両足が余裕で着くのでシート高の不安は解消されるだろう。
またヘッドライトも各国の基準に合致するよう、大きめになっているが、
その分、60/55Wのマルチリフレクターで明るさが増している。
多機能デジタルメーターも大きめのスピード表示や燃料残量表示、時計、ツイントリップと、
日常やツーリングにも便利な機能付きで、視認性も高い。
低価格だからといって安っぽさはどこにもなく、それ以上に充実した装備はさすがである。


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$nen's blog-Fサス

$nen's blog-メーター

$nen's blog-テール

$nen's blog-サイドボックス

$nen's blog-ローダウン

$nen's blog-シート高

■ツーリング先でオフロードを楽しむ
CBR250Rと同じエンジンは、いたってスムーズで、低速からフラットに吹け上がっていく。
3速からの伸びのあるレシオで気持ちよくまわるが、CBRより低速トルクがあるため、
ワインディングの立ち上がりはよりスムーズだ。
排気音は単気筒らしくない静かさだが、静かさゆえに、エンジン周辺から聞こえる
ヒューヒューヒュルヒュルという吸気音がいささか気になった。
それにややフロントがヘビーに感じた。ステアリングヘッドを締め付けたときに似た重さだ。
ヘッドライトなどの装備がそうさせているのだろう。
しかし、それが逆に、林道に行くまでのワインディングでは、
フロントにしっかりした接地感を生み、かなり攻めの走りもできる。
ちょっと腕があれば、タイトなワインディングならロードモデル以上に速く走れる。
林道では、やや車重(143kg)の重さを感じたが、しっかりしたフレームと
本格仕様の前後サスペンションで悪路が現れても安心して開けられる。
スロットルを開ければ、高回転型のエンジンがドンドン車体を加速させてくれる。
いままでのオフロードモデルは、オフロードの走破性重視だったのに対し、
このCRFは長距離や林道に行くまでのワインディング、高速走行までも考慮された
オールマイティな使い勝手のいいモデルといえる。
オフロードだけをかっ飛ぶよりも、ワインディングを楽しみながら、
その先のダートロードまで楽しむ、そういった林道ツーリングユーザーにはもってこいの
オン・オフロードモデルだ。
これだけの仕様と作りで、44万9,400円(税込)という低価格には感心させられる。


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乗りこなせずとも高額で高性能モデルをステータスで選ぶか、
低価格で価格以上の装備や性能があれば十分と思って選ぶかは、
ユーザーの判断にお任せする。


$nen's blog-スタッフ

● SPECIFICATION Honda CRF250L ●
車名・型式=ホンダ・JBK-MD38
全長×全幅×全高=2,195×815×1,195mm
軸距=1,445mm
最低地上高=255mm
シート高=875mm
車両重量=143kg
エンジン型式・種類=MD38・水冷4ストロークDOHC4バルブ単気筒
総排気量=249cc
内径×行程=76.0×55.0mm
圧縮比=10.7
最高出力=23PS/8,500rpm
最大トルク=2.2kgf・m/7,000rpm
燃費消費率=44.3km/L(60km/h定地走行テスト値)
燃料供給装置形式=PGM-FI
始動方式=セルフ式
燃料タンク容量=7.7L
変速機形式=6段リターン
タイヤサイズ=前3.00-21 51P 後120/80-18M/C 62P
ブレーキ形式=前後油圧式ディスク
懸架方式=前テレスコピック式(倒立タイプ)後スイングアーム式(プロリンク)
フレーム形式=セミダブルクレドール
価格=44万9,400円(税込) 発売=2012年5月14日

ライダー:打田 稔/撮影:徳永 茂