出穴記事拾遺集25
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ここまで、たどり着いてきてくださいました読者の皆様、ありがとうございます。多謝。感謝。
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【出穴夢シリーズ】<猫男の冒険>
番外編 “所詮、妄想・・・”
「あなた!こんなところで寝てたら風邪ひくでしょ」
あれっ!女房の声がする。。。ソファから起き上がると、目の前に女房が立っていた。いつの間に・・・。
「昨日もかなり飲んでいたのに、今日は昼酒?会社はどうしたの?病院へは行ったの?」 矢継ぎ早に
質問が飛んでくる。俺だって、お前に聞きたいことがあるのに・・・。「とりあえず、病院へは行った。全治
1週間だそうだ」とやっと答える。いつの間にか娘のエリナも帰ってきてTVゲームに夢中になっている。
「しかし、酔っ払って階段から落ちるなんて最悪ね」・・・あれっ!?そうだっけ!?
「あなたが急に会社辞めるって言い出すもんだから、藤本部長心配してたわよ」 ・・・そうだっけ!?
「家にまで来られて、私にまで説得するように言われたわ。あなた会社辞めないでね」
「部長が家に来たのか?」
「さっき、帰られたわ」 ・・・えっ!さっきまでいたの?
テーブルの上のタバコとライターが消えていた。ビールの空き缶で作った灰皿もなくなっている![]()
「飲みすぎ注意ですよ。子どももまだ小さいんだから健康に気をつけてもらわないと。今日は休肝
日ですよ。まだまだ、がんばってもらわなくっちゃ。仕事のことも一人で決めないで相談してね」
今日は、カレーかぁ。部屋にたちこめるカレーの匂いに急に食欲が沸いてきた。そういやぁ、今日は朝
からロクなものを食っていない。
「すぐにご飯にしますから、エリナもゲームをやめて、パパとお部屋をかたずけてちょうだい」
親子3人でカレーライスを食べる。地味な夕食ながらも幸せをかみしめる。これが家族というもんだ。
食後は、娘をお風呂に入れてやり、本を読んでやったりして、9時過ぎには娘を寝かしつけた。
「あなた、コーヒーでも淹れましょうか?」
いつもなら、女房は、旦那をほったらかしで、ブログに熱中している時間帯だ。それが、珍しいことに、
キーボードを叩いていた手を休め、コーヒーを淹れてきた。今日は何か話でもあるのだろうか?
私だって、女房に聞きたいことは山ほどある。しかし、どうも頭が混乱していて、状況をつかめていな
い。。。また、今度にしよう。そう思っていたら、女房が口火を切った。
「あなた、何か私に隠していることない?」
「いっ、いや、べつに・・・」
・・・何かって、何だよ?カマかけるのはよしてほしいなぁ。ひょっとして、ミーコのこと?ゴルフへ行くっ
ていう言い訳はチトまずかったかな。それより、藤本部長とはどうなってるんだ???。イヤっ、待てよ。
タバコのことかもしれない。禁煙したって嘘ついてたもんなぁ。それならそうと言ってくれ!
「何も隠し事なんてあるわけないじゃないか(*`∧´)/」
私は、きっぱりとそう言い切った。こういう時は、堂々とした態度が大切だ。
「あっ、そう」
って、素っ気のない返事。沈黙が流れる。夫婦の会話ってなかなか続かないものだ。コーヒーを飲み
終えると、女房は背中を向けて、また、ノートパソコンに向かう。ブログってそんなに面白いものなのか。
私は、女房のブログを読んだことがない。私は、女房のことを何もわかっちゃいないのかもしれないな。
「先に寝るよ」
そう言って、足を引きずりながら寝室へ向かおうとする私に、女房は「おやすみ」という代わりに、背中を
向けたまま、つぶやくようにこう言った。
「その足じゃ、今度の日曜日は、ゴルフは無理ね」
振り返って、女房の方を見たが、あいかわらず背中を向けたまま、キーボードを打っている。カタカタカタ。。。
「おやすみぃ」 乾いたキーボードの音だけが、深夜のリビングに響く。 カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ。。。。。。。。。。 カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ。。。。。。。。。。 カタカタカタ。。。
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これにて、いったんのオチにさせていただきとうございます。ご愛読ありがとうございました。![]()