では何故、現代日本で、ブラック企業の問題が発生したのか?
その理由については複合的なものであり、決して単純且つ単一の事象によって崩壊したものでもない。
そのブラック企業の原因となったのは、紛れもなく経営・人事・労働問題といった複合的なものであり、以下の例があげられる。
(1) 「休まずに働く事が美徳」と考える日本の労働事情
(2) 中間管理職が抱える問題
(3) 経営体制の複合化
(4) 人事管理の硬直化
これらを順を追って説明していくとするならば、以下のようになる。
例えば、あなたがブラック企業の社員だとしよう。直属の上司から「(1) 会社では、長時間働く人間を評価するから、休まずに働け」とのお達しがくる。

あなたは必死で働いたとして、何とか労働時間を達成したとしよう。ここであなたの仕事は終わる。
そして、今度は人事・経理部門の上司がやって来るや否や――
「(2) 残業時間が長すぎて、残業代が会社の経営を圧迫している。
また、『労働基準法を守っていない』と、労働基準監督署から苦情が来ている。
ネット上でも、『この会社はブラック企業だ』・『作業効率が悪すぎて、経営者が無能』とたたかれているので、何とかしろ」と言われてしまう。

そう、あなたの担当する仕事はあくまで『直属の上司に従って、休まずに働くこと』であり、
他の上司たちが担当する「(3)労働基準法を守ることや、仕事の作業効率を上げる事ついては一切考えていなかった」。
ただ、あなたは間違いなく言われた通りに仕事をし、自分自身の「ノルマ」は達成しているわけである。
となると、悪いのは一体誰なのか?
こうなると、『自分の仕事でないのだから関係ない』と思う人の方が多いはずである。
なぜなら、言われた仕事はきちんとこなしている筈なのだから。
そして、一方でこうした『真っ当な批判』の言葉が言い掛かりのように思えてきてしまい、社内でも社外でもお互いに見えない溝が出来始めてしまう。
こうした事が積み重なると、数字では目標を達成している筈なのに、顧客には中々製品が出回らない状態になってしまうまでか、品質面・管理面はどんどんと杜撰になっていく。

揚句には『品質の向上』・『サービスの改善』・『作業効率の短縮』といったものも無く、ただ『先輩・上司に言われた指示』を繰り返し続けるだけになる。
それはまるで、『活況の無いコンビニのバイト』が、粛々とマニュアル的接客サービスで機械的に販売作業に従事しているように「ただ仕事をしているだけ」であって、

自分から何かをするわけでなく、気が付けば自分の考えといったものが全く無くなっていく。
というのも、上から与えられた指示に「自分の考えたやり方」を差し挟む余地が無く、(上司に対して提案すると、『上司・先輩への悪口』と言われてしまう)
しかも、下手を打って大きな失敗してしまえば、体罰・法外な罰金・パワハラ・セクハラ・アルハラ・不当な解雇等、致命的な制裁を受ける可能性が高いからである。

何しろ、管理者の背後には、常に社員に監視の目を光らせ、生殺与奪の権利を掌握する強権なワンマン社長(体育会系出身に多い)が控えているのだから。
もちろん会社の経営方針そのものに対する反対意見など、ご法度である。
そうなると、「(4) 担当部署が異なる社員同士でも、互いのノルマ達成のことしか頭になくなってしまい、頑迷な縦割り意識で敵対心を抱くようになる。また、現実的な問題に対処しようとしなくなる」。

つまり、リスクを確実かつ効率よく回避して生き延びるのは勿論のこと、それを免罪符として逆にこの状況を利用し少しでも利鞘を稼ぐ為――
・無能な上司へのゴマスリ・接待・賄賂、会社の金の横領、
・公共事業における談合、
・帳簿や報告書の改竄、
・失敗や不祥事の隠蔽、
・『休日出勤』・『サービス残業』の名目で行われる違法な労働ルール、
・対立する部署への讒訴など――

様々な不正が横行していった。これにより会社の縦割り構造は一層硬直の度を深め、経営はますます逼迫することになる。
こうした会社経営の度重なる悪循環と、管理破綻によりやせ細っていく労働者たち、(うつ病、過労死、自殺など)
社員が家族を養うだけの給料を支給できない低賃金、(『非正規雇用』・『結婚できない若者』・『過剰なリストラと、現場での人手不足』)

また、これらの被害を受けた社員たちに対して、『非正規雇用の問題は、社員の自己責任』の一言で放り出すなど、きわめて無責任な経営方針を積極的に推進していった『経団連』など。
更には、バブル時期に失敗した過剰なマネーゲームで、大損害を受けた赤字を『社員のリストラ・賃金カットで穴埋めする』など、これまた、きわめて無責任な経営方針を採用した『バブル崩壊当時の経営陣が誤った判断を下した』など・・・。
度重なる経営の失敗で、日本の企業と労働者は疲弊していった。
当然、『日本式・家族的経営』のお題目であった「終身雇用制・労使協調」なぞは、幾らマジメに考えても実現しようのない所まで行きついており、もはや画に描いた餅ですらなくなっていたのである。
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以上、長々と書いてきたが、結論は一つ。
現在の日本は、崩壊前の旧ソ連みたいな状態になりつつある、ということ。

さて、国民は、「改革(ペレストロイカ)」と、「情報公開(グラスノシチ)」が必要な状況になってるわけだが・・・・・・おや、こんな時間に誰だろうか?