「創価学会から除名する」──。埼玉県坂戸市の会社員、篠澤協司氏(52歳)の自宅に、学会からその「通知書」が届いたのは、昨年12月末のことだった。
そこに書かれていた処分の理由は、要するに篠澤氏が「執行部批判の言動を続けた」というものだ。
「選挙支援を依頼する知人に『公明党は平和の党ではなかったのか』と突っ込まれたときに言い返せない。どう答えればいいか自分で勉強を始めた」。
その中で池田氏が「集団安全保障」への参加に否定的だったことを知った。安倍政権の一翼を担う公明党は、翌15年の安保関連法案採決も賛成に回る。「先生の指導からすれば公明党や学会は間違っている」と確信した。
「公明党を支援できません」。16年夏の参議院議員選挙を前に上位役職の本部長らに告げたところ、すぐに地区部長解任となった。
翌17年には残っていた副支部長の肩書も外され、一般会員に。すると座談会などの連絡は途絶え、会員と道で擦れ違っても無視される“村八分”となった。
学会本部の監正審査会に不服を申し立てたが、処分が覆ることはなく今年8月に除名が確定。
日本の人口が減少期に入り、高度経済成長期に入会した多くの会員も今は老齢。新規入会も進んでおらず、学会幹部も「若い人が昔ほどは入会しない。難しい時代であることは間違いない」と認める。
この間、池田家に近いとされた創価大学派閥ら幹部の“粛清”も進め、政治的には官邸とのパイプを強化。
今や学会-官邸の決定に、公明党が従う図式が完全に成立した。集団的自衛権行使容認の閣議決定、安保関連法案や「共謀罪」法案への賛成。多少の会員の離反を招いても、政権与党の座に固執する姿がそこにはある。
「池田先生がつくった学会は、完全に乗っ取られた。今の学会は宗教法人ではなく、単なる政治集団だ。師匠に反逆する執行部に対し、残されたわれわれ弟子たちが戦わなければならない」
執行部とそれに反発する会員たち。残された「弟子」同士の“戦い”は今後も苛烈を極めそうだ。






