紫陽花この季節、いつも通る路で紫陽花に出会う。毎年同じ時期、同じ場所に咲いて語りかけてくれる。花が枯れるとそこに紫陽花が在ることが無意識へと沈んでいく。でも私はいつもそこに紫陽花があるのを知っている。この前いつも通る曲がり角の建物が取り壊されていた。なんの建物だったか、たぶん古い家だと思う。いつも無意識に目印にしていたようだ。背後からなにかをかすめ取られたような喪失感。そこはコンビニになった。規格統一された白く光る建物になった。毎回通る道の景色が変わっていたら、毎朝起きた時に部屋の様子が違っていたら、自分を保つのが難しそうだ。