台所のらっこ -3ページ目

台所のらっこ

つぶやく 今日も 台所の隅


この季節、いつも通る路で紫陽花に出会う。毎年同じ時期、同じ場所に咲いて語りかけてくれる。

花が枯れるとそこに紫陽花が在ることが無意識へと沈んでいく。
でも私はいつもそこに紫陽花があるのを知っている。

この前いつも通る曲がり角の建物が取り壊されていた。
なんの建物だったか、たぶん古い家だと思う。いつも無意識に目印にしていたようだ。
背後からなにかをかすめ取られたような喪失感。

そこはコンビニになった。
規格統一された白く光る建物になった。

毎回通る道の景色が変わっていたら、
毎朝起きた時に部屋の様子が違っていたら、自分を保つのが難しそうだ。

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