あともう少し、そこで大きくなっててね
誰かが気づかなくても、地球は、
みんな、ちゃんと動いてる
ある土曜日の朝、
母は仕事に行く準備に忙しく、
息子2人も、それぞれ、
出かける準備で忙しそうにしていた。
各自、それぞれのバタバタペースで、
それでも、誰かとバッティングしないように、
うまく動いていた
ひと足先に、大学生の息子が出かけていった。
夕食までには戻るらしいけど、どこに行ったのか?
大学生の息子だもの、
よほど遅くなるとかでなければ、
母だっていちいち聞かない
「・・・あいつ、絶対にデートだぜ」
と、まだ準備中の社会人の息子。
は、そうなの そう言ってたの
「言わないけどさ、
なんか、見てて分かるじゃん」
あ、そうなんだ、いいことじゃ~ん
「・・・初々しいねぇ」
おまえが言うか
てか、
おまえもデートくらいしてきなっ
毎日が忙しい母は、
息子のデート事情に、
いちいちドキドキしてる余裕もないのであった
Wワークのスクールで、私は、
小学校低学年から高校生までの男女、
多くの生徒さんを担当させていただいています。
もちろん、いろんなタイプの、
いろんな性格のお子さんがいらっしゃいますが、
息子たちを育ててきたこの母は、本当に、
ちょっとやそっとのことでは動じません
息子たちとは、いまもバトルします。
わりと、しょっちゅう、します。
年齢とともに、息子たちの反論は、2人とも、
対応するのが、かなり面倒になってきているので、
母は、さらに鍛えられている。
だから、中学生くらいの、反抗的な言動だって、
ムッとはするけど、負ける気はしない。
このせんせいは、言い負かす。
受け持って、数年経ったDC(男子中学生)くん、
慣れが出てきたら、ここ最近、
ますます、反抗的な言動が増えてきた。
ま、せんせいも負けませんがね
それが、先日のこと、
学校のテストを控えたDCくん、
テスト対策として、こことここ、
こういうとこは、ちゃんと覚えましょう。
・・・このせんせいだって、ちゃんと先生になる
「分かりましたけど、覚えますけど、
うっかりミスはしかたないですよね」
ん、どういうことですか
「覚えたりすることは努力しますが、
それでも、うっかりするじゃないですか、
そういうミスはしかたないですよね、
ってことですよ」
この発言には、さすがに、このせんせいも頭にきた。
DCくん、
うっかりミスだろうが、イージーミスだろうが、
ケアレスミスだろうが、ミスはミス、
はなんですよ
DCくんに、
せんせいの受け持ちの生徒さんの話をする。
JC(女子中学生)ちゃんの担当になって数年経つ。
JCちゃんは、もともと、一生懸命のがんばり屋さんだ。
だけど、英文を書いて、
.をつけ忘れたり、?を書き忘れたり、
b と d を書き間違えたりした。
自分でも、うっかりミスが多いと認めていたし、
それは、つい最近でもあることで、
そのたびに、せんせいは注意していた。
中学生になったJCちゃんは、
学校のテストでは、そんなミスは、そのまま、
点数に影響することを理解していた。
中学生になって最初のテスト、
JCちゃんは、とにかく、
「うっかり」だけは気をつけようと、必死に見直しをした。
その結果、JCちゃん、英語で100点を取った
しかも、他の教科でも、「うっかり」を気をつけたことで、
全体で良い成績を取り、
みごと、学年で1位になった
あのさぁ、DCくん、
取る人はさ、ちゃんと、その分、努力してるんです。
DCくんの、
最初からそういう考え方って、どうかと思いますけどね、
せんせいは。
・・・こういう話をしたって、
DCくんの心に響くなんて思っちゃいませんけどね、
「うっかり」なのに、それを指摘するなんて、
とか、
「うっかり」なんだもん、分かってくれるでしょ、
とか、
それを理解してくれないほうが悪い、
みたいな、
そういう考え方は、さすがに、
このせんせいは、好きじゃないんですよ