気づいたら片想い | Commentarii de AKB Ameba版

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Tags: single、片想い

 前から乃木坂の新譜は出る度に買っていたし、曲もそれなりに評価していました。「失いたくないから」なんか今でもよく聞いてます。でも地味なタイトルだよな「失いたくないから」。

 でもそんなに情熱を持っていた追っかけてたわけではなくて、ついこの間まで識別できるメンバーは生駒、白石、(可愛い方の)松村くらいでした、ってのはにも書いたよね。
 
 そう、生田絵梨花が弾き語った「君の名は希望」をきっかけに、少しづつ乃木坂のメンバーも識別出来るようになっていきました。
 生田、桜井、橋本、星野、西野、中田、高山、若月…。

 うわ、これって泥沼かしらん。

 それでも乃木坂の曲のタイトルで記事を書くことは自制していました。
 だって「公式ライバル」じゃないですか。多少遠慮がちにもなるじゃないですか。
 それが仁義ってもんじゃないですか。
 ねえ。

 なのに今日だけでもうすでに10回以上聞いてます「気づいたら片想い」。

  初めからわかってた/特別な人だった
  恋とは与えられるもの/決して抗えない

 無駄な抵抗はやめろ、ってことですねやすす先生。

 哀愁を帯びたメロディーラインは「サウダージ」って言葉を思い出させます。
 またはフランソワーズ・アルディ石川ひとみの名を頭に浮かべる人もいるでしょう。

 もうあちこちで言及されているだろうけど、この曲って間違いなく「おっさんトラップ」。
 サビの懐かしさ、Aメロの刻み。Bmから2回転調して最後のサビ。どれも昭和の中盤に生を受けた世代のハートを直撃するようにプログラムされたミッソーインカミング
 ヘッドフォンでないと聴き取れない頭のブレスから見事に術中にはまっちゃいました。
 
 やすす先生も、昨今に珍しく丁寧に仕事をなさっている印象です。わかりやすさのために何かを犠牲にすることもしない。

  あなたと目が合った時/本当は予感してた

 「今思えばあの時恋に落ちていたんだ」という、いわば過去完了形の情趣は「LOVE修行」にもありましたね。でもここではもう一歩奥が深い。

 その時にはすでに恋に落ちる運命が決まっていたことを、自分はちゃんと知っていた、でも自分が知っていることに気がついていなかった。または、気がつくことを拒否していた。

 つらさから逃れるために、自分で自分を騙そうとする。
 歌っている子たちには実感を持ちにくいでしょうが、幾星霜を経て「自分の心」という馬にそれなりに乗り慣れたおっさんにとってそれは、苦みを伴う馴染みの深い体験です。

 自分で自分を騙す。
 それは脆弱な自我を防衛するために生体に備わっている障壁。
 でもホントの恋はその障壁をやすやすと突破してきちゃうんだよね。

 うん、良曲だなあ。まだやれば出来るじゃないか、やすす。
 今日この後も、あと10回くらいは聞くような気がするぞ、やすす。
 てかこういうのがどうしてAKBで出来ないんだよ、やすす。

 でもあのPVはなあ。
 前曲もそうだったけど、「死」とか「殺戮」とかをテーマにしなければ人の心を動かせないような脚本は突っ返した方がいいぞ、やすす。高校の演劇部じゃないんだから。
 「言い訳Maybe」とか思い出せよ、やすす。