フィガロの結婚   | Commentarii de AKB Ameba版

Commentarii de AKB Ameba版

AKBとかその周辺とか

 フィガロの結婚@新国立劇場

 フィガロは二度目。
 初見は2010年11月、このブログを書き始める数ヶ月前でした。この1年前の2009年10月がオペラ初体験。

 そもそもオペラにはまったのは、ショッピングモールのワゴンセールで安売りしていたマリア・カラスのCDを買ったのがきっかけでした。車のCDプレーヤーに入れて、最初は聞くとはなしに聞いてました。なんだろ、決して美声ではないんだけど、心をぐっと鷲づかみにされた感じ。

 それからCD聞きまくって、DVD買い漁って、どうしても現物が見たくなってチケット取ったのが2009年10月だったわけ。
 お、この経過ってAKBにはまってった時によく似てるね。こっちは現場に出るまでずいぶん時間がかかったが(だってチケット取れないんだもん)。

 で、フィガロを初めて見たときの感想がこれ
 この直前のエントリーがこれ。「マジすか学園」について。うわ、なつかし。
 「(DVDに)入ってた生写真は、誰だかわかんないんですけどね」なんて言い訳Maybeなこと書いてます。この生写真、小嶋柏木北原宮崎高城でした。えーこれが誰かわかんないってどうゆうことよって感じだよね。
 ホントはこの前にすでに「言い訳Maybe」にはまってたんだけどね。
 
 で、「フィガロ」。
 
 時間ぎりぎりに新国立劇場2階最前中央に着席。
 たぶん以前に皇太子殿下がお座りだった席の周辺。

 既に幕は開いていて、大きな白いパネルでできた天井、床、左右の壁、そして奥の壁が見えている。客席からはちょうど内側が白い巨大な箱を覗いているようなしつらえ。その他に舞台装置はない。

 序曲終わり近くになると、奥の壁が開いて、そこから白い段ボール箱が運び込まれてくる。箱には「トウキョウ」「London」「Vienna」「Sevilla」などと書かれてある。 
 このボール箱が、椅子であったり、テーブルであったり、さまざまな道具の役を果たす。ボール箱の他にはタンスが一棹出てきて、これもまたいろんな役を果たす。誠にシンプルなつくり。

 ストーリーは、全てこの「箱」の中で繰り広げられる。
 フィガロの機知も、エロ伯爵のバレ話も、「男の娘」ケルビーノの萌えアリアも。

 2度目ということもあって、あらかた筋書きは頭に入っていたのだけれど、それでも「あれ、今なんでもめてるんだっけ」と頭をひねることが何度かあった。 
 そもそも「フィガロ」って「セビリアの理髪師」の続編なわけで、初演当時は「みなさまおなじみの」お話だから細かい説明なんか不要だった。

 だからたとえばフィガロがホントは実の母であるところのマルチェッリーナに結婚を迫られている理由とか、お客は「知ってる」ことが前提だったのでしょう。ちょうど「お軽勘平」で、何で勘平が腹を切りたがってるか、説明が無くてもご見物衆は先刻ご承知なのと同じように。

 だからその辺準備が足りないとつらいんだね。ぽかーんとしちゃう。「お軽勘平」が古きゃ、エヴァを「Q」から見始める、みたいなモン。何が「13番めの使徒」よいったい。

 ハッピーエンドの「フィガロ」にも続きのお話がある。
 たとえば可愛い可愛いケルビーノはホントに奥様とできちゃって、その後戦争に取られて死んじゃうんだって。まさに「もう飛ぶまいぞ」。

 人生キビシイねえ。

 そんな後日譚を知ってか知らずか、舞台の上の皆様は明るいことこの上なし。
 心躍る美しい音楽と、呆れて笑うしかない馬鹿馬鹿しいお話し。
 そんな時僕はいつも思い出すよ。

   くるくるばーで/みんなで騒ぎましょう

 
 愛を失くしてしまっても大丈夫。お代わり自由だからさ。