JESUS | Commentarii de AKB Ameba版

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Tags:恋

 前曲「リオの革命」からそのままなだれ込むように続くこの曲。
 激しいダンスがカッコイイ。

突然泣き出した/夜更けのサイレン
高層ビルの森/私は STRAY SHEEP

 「ストレイシープ」ってのは「迷える子羊」。アブナイ都会に出てくるには、ちょっと早過ぎちゃったのかもしれない。でももう遅い。

すれ違うのはANGEL/それとも あれはDEVIL
ナイフのようなEYES/狼たちの隠した牙

助けて JESUS/今すぐ 迎えに来てよ
守って JESUS/食べられたくない 私
助けて JESUS/囲まれてしまったみたい
守って JESUS/ジリジリ近づく誘惑

 群れからはぐれた、迷える子羊を探し出すのは、そもそもJesus Christ(イエス・キリスト)の役目。ですから処女(オトメ、と読みましょうか)を悪いオトコの誘惑から救い出すのも、まあ業務の一環ではあります。

 でも敬虔なクリスチャンが聞いたら、眉をひそめるかも。踊りがセクシー過ぎるから?
 それもあるけど、特に第2スタンザ。

愛の出口は RIGHT?/それとも それはLEFT?
本能のままCHOICE/パパやママにも内緒だから

あなたがJESUS!/風のように現れて!
愛しのJESUS!/やさしい両手で抱いて!
あなたがJESUS!/私に気づいて欲しい
愛しのJESUS/1秒待てないピンチよ

 この女の子にとって、どうやらJESUSとは、単に頼りになる男の子の喩え。

 その男の子を追いかけてきたら、いつの間にかヤバイ場所に来ちゃった。
 私迷える子羊だわ、あなた(イエス・キリストのように)助けに来てよ、という歌。
 しかもピンチの裏には、女の子の「欲望」が見え隠れしている。パパやママには内緒の「本能」ってのは、まあぶっちゃけ性的な欲望の喩えだもんね。

 R&Bとかいわゆるソウルミュージックで Jesusを歌った曲や、タイトルにJesusが入っている曲ってそこそこあるでしょ。有名どころだとこんな曲。カッコイイんだけれど、内容はしっかり宗教的だったりする。

 それに対してAKBのこの曲って、アレンジもちょっとパワフルなソウル調(ファンファンラッパがちょっとEW&F風?)なんだけど、内容は要するにきわどい恋愛話。

 「ここはちょっとファンキーな曲で行きましょ。そういやJesusってカッコイイよね」みないなノリで書いちゃいましたって感じ? こんな曲あんな曲もあったし。

 僕はクリスチャンってわけではないのだけれど、ちょっと罰当たりな感じがしちゃいます。
 まあJesusだったからまだいいのだけれど、これが「愛しのMuhammad」だったら、シアターに血の雨が降ったかもね。

 それはさておき、最初に書いたように、この曲のダンスはカッコイイ。A2とB2とKII1が同じセットリストだが、新しくなるほど踊りも激しくなる。

 ただ「JESUS」のところで右手を素早く上下左右に動かすフリがあるのだが、あれはそもそも「十字を画く仕草」なのだが、新しくなるほど形骸化しているように見える。この点はA2が一番しっかりしてるね(罰当たりとか言ってたのにすんません)。