2010年から2022年までの日本の全年齢層の年齢調整後のがん死亡率

2010年から2022年までの日本の全年齢層の年齢調整後のがん死亡率。2020年まで下がり続けたのに、ワクチン接種開始後の21年から増加している 
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 「わたしたちが最も恐れるべきは、ウイルスではなく、免疫力(自然治癒力)の低下」――日本伝統鍼灸学会顧問の松田博公(ひろきみ)さんが南米在住者向けのオンライン講演「コロナパンデミックとは何だったのか」を5月25日午前8時から4時間にわたって行った。ボリビア在住者なども含めて約30人が参加し、松田さんの詳細な発表を熱心に聴講した。 

 講演会ではポ語通訳を担当した当地在住鍼灸師の小渡良博さんが松田さんの経歴を日本伝統鍼灸学会顧問、日本内経医学会顧問、東京都はり・きゅう・あん摩マッサージ指圧師会学術顧問、元共同通信社編集委員の鍼灸ジャーナリストと紹介した。 

 松田さんは冒頭「日本ではワクチン接種率が世界一、感染率も世界最多という本来あってはならない不整合が観察されている」と問題提起し、この点に関してもっと透明性のある議論が幅広く行われるべきだと論じた。 

 鍼灸ジャーナリストらしく、COVID-19ワクチンの安全性と有効性に関して疑問を呈する欧米の有名科学雑誌や新聞に掲載された告発記事や研究成果を次々に提示した。 

 英国医療専門誌が報じたファイザー治験のデータ詐欺を内部告発する社員が即刻解雇された事実を説明。不都合な事実がもみ消され、実際の死亡率はインフルエンザと大差ないのにパンデミック中だとして緊急使用許可(EUA)の名のもとに、本来なら開発に10年以上かかるワクチン開発を強引に進めた結果、抗体依存性免疫増強、抗原原罪、血清型置換などの弊害が生じ、むしろ感染が助長されたため、日本は接種率世界一なのに感染率も最多になったとの可能性を論じた。 

 さらにmRNAワクチンには副反応というよりも毒性があるとし、「スパイクタンパクは、体内のあらゆる場所に存在する受容体ACE2を介して、ヒトの細胞に定着する。ACE2は抗炎症作用を持つ酵素で、スパイクタンパクと結合すると抗炎症作用が発揮できず、多臓器で炎症が起こる」と問題提起した。 

 また「4月8日、福島雅典(京都大学名誉教授)のグループは『日本におけるCOVID-19パンデミック時のmRNA-脂質ナノ粒子ワクチン3回目投与後の年齢調整がん死亡率の増加』と題した論文を発表した。日本のがん死亡率は2020年まで毎年減少してきたが、ワクチン接種が始まった2021年から一転して増加に転じ、2022年はさらに多くなった」とグラフを交えて説明した。 

 一方、2022年4月5日公開の研究は、COVID-19に対する自然免疫の有効性を論じる論文246件をレビューしているとし、「COVID-19に罹患した大多数の人は、細胞性免疫と体液性免疫の両方を自然免疫として獲得しており、それが、再感染と重篤な病気に対する防御を提供することが分かった」という自然免疫の重要性を指摘する研究報告があると紹介した。 

 「自然免疫がワクチンよりも有効なのは、自然免疫が持つ広範な非特異的免疫応答の方が守備範囲が広いことで説明できる可能性がある」とし、「わたしたちが最も恐れるべきはウイルスではなく、免疫力(自然治癒力)の低下の方」と強調した。 

 鍼灸師の立場から「日本の鍼灸師は、からだには病を癒す自然治癒力が宿り、鍼灸はそれを支援する医療だと語り継いできた。風邪を引いた患者さんに『熱が出てよかったですね。熱が風邪を治します。下痢も治します』と症状は治癒反応であることを伝えてきた」との伝統的な思想に回帰すべきと訴えた。 

□サビアの独り言□ 

 4時間にわたる松田博公(ひろきみ)さんの講演の最後は質疑応答となり、当地在住のブラジル人鍼灸師から「ブラジルではワクチンの安全性や有効性に疑問を呈する発言をするだけでボルソナロ派と誤解され、メディアでもそのような報道がほとんどない。その中で、今回の講演のテーマをどう活かしていけばいいのか」などの質問が寄せられた。松田さんは「ワクチンを否定するのではなく透明性のある議論をし、体が本来もつ治癒力を高めることこそが医療行為の主体だと理解してくれる患者さんを育てることが大事。患者さんとしっかり向き合い、大切な人との関係を重視して皆さんのコミュニティを広げてください」などとアドバイスし、参加者は熱心に聞き入っていた。