ダンナは膵臓がんになり、6年目なわけだけど
自分よりあとに「がん」を患ったのに、先に亡くなって。。。
と、そういう人が身内もいるし、有名人もね。いっぱいいるね。
ダンナのお父さんも、その一人。(以下とーちゃん)
ダンナの実家は米農家。
とーちゃんは、定年まで近所の工場でも働いていた。
米のほかにも、畑で野菜も作っていた。
造園技能士の資格もあり、自宅の庭は勿論、請負もしていた。
寡黙で仕事も真面目。
酒を飲まなきゃ良い人だ。
ダンナが膵臓がんとわかってから間もなく、とーちゃんも「がん」に。
過去にも、がんを含め、いくつか病気やケガをしてきたけど、乗り越えていた。
だから、またいつものように治っちゃうんかなと思っていた。
手術を受け、入退院を繰り返しやせ細り、治療をやめ近所の病院へ転院した。
亡くなったとーちゃんの顔は、骸骨に皮膚が乗っている感じで、黄色くなっていた。
まさかダンナより早いなんて。
私は結構なショックを受けた。
東京から帰って来た息子は、葬儀中泣いていた。
田舎のマイナスイオンと、田畑と爺ちゃんに癒され、私の知らない思い出がたくさんあったようだ。
ダンナは葬儀の時も、それ以降も、感情を露わにせず、日々淡々と送っている。
ただ、思い出したように当時の話を空気を読まずしてくる。
亡くなった季節が春だったので、春はうるさい。
「今頃、何度も田舎へ呼び出されて行ったな~」
「かあちゃんが、わーわーうるさくて、とーちゃんに頭叩かれてた」
「あん時さ、すぐ来いって言うけどさ、オレだって”がん”なんだよ」
「この時期に、とーちゃん死んだんだよな~」
他にも、病院で説明を受けたことや、かあちゃんが言うこと聞かないで勝手なことするとか・・・
(あなたのお母さんだもの、言うこと聞かないのはそっくりね)
歳の順で行けば、とーちゃんだ。
とーちゃんより先に膵臓がんになったダンナ。
子に先立たれなくて良かったね、とーちゃん。
とーちゃんは心残りだったかも知れないけどね。
ダンナはとーちゃんを看取ることはできなかったけど、自分ではそれなりにやり切ったと思っているのかな。
後悔とかないわけ?
はて?
ダンナが生き延びている意味は・・・
「修業が足りないんじゃねん」
私の母親はまだ健在。
もしも母親が亡くなったとしたら、後悔することがあり過ぎる。
自分を悔やむとしたら、どの時になるのか。
終末期の母親に耳を傾ける余裕がなかった時?
週末実家へ行った時、優しくできなかった時?
もっと実家に顔を出せば・・・
もっといろんな所へ出掛ければ・・・
もっと、もっと・・・ん!?
母は元気ではあるけど、私の中の母親は、まだバリバリ働いていた頃の母親のままで。
母の老いを無視してるかも知れない。
見て見ぬ振り。
認めたくないのか?
気のせいじゃないぞ・・・
受け入れないと
ついつい、”前はこうだったのに何で出来ないの?”ってイラついちゃったり。
去っていった人のおかげで、省みれる。
私が、今出来るコト。
大したことは出来ないし、いつもの日常が長くなると、楽な方へ行っちゃうけど。
意識するだけでも、母への対応が変わると思うしね。
自分が後悔しないように?
いやいやいや~
何をどうしたって、亡くなったら後悔しちゃうわー
母が喜んでくれる顔を1回でも2回でも増やすことだな。
ついでにダンナね。
ダンナの面倒も見なきゃね。
そして弱ったダンナが、尽くした私に対し、後悔して謝ってくれたら本望だわ。