主治医から「CVポート」の説明を受けた。
毎回腕の血管から抗がん剤を入れなくて済むし、ダンナの負担も苦痛も軽減されるからと。
ポートを鎖骨の下辺りに、埋め込むってどーいうこと?
入院して抗がん剤をするではなく、近いうちに通院でも可能ですから、ポートから針を抜く練習もしましょう、ってどーいうこと?
最後まで話を聞き、後日CVポートの埋め込みのため、ちょいと手術をすることに。
ダンナにとって少しでも不安が減ってくれるなら、ありがたいことだし。
点滴の最中、両手が使えるって便利だしね。
まあ、ポートから薬を入れるといっても、入院中は点滴をぶら下げるスタンドとバディ組まなきゃだけど。
私の父の頃と違って、ホント患者にとって優しく快適に過ごせる医療になったんだなーって関心しちゃった。
先生が、いろいろな説明をしてくれているのに、ダンナは入院しなくても治療ができるという部分しか耳に入らなかったよう。
すーぐ、「いつから通院でいいんですか?そういう場合、仕事は行けるんですか?」
って、私は投薬している間は心配だから、なるべく入院していて欲しいけど。
そんな状態で家に居られても、どーせダンナはうるさいし、めんどくせー
数日後、ちゃちゃっとCVポートの埋め込み手術を終え、抗がん剤治療の1泊2日入院を数回繰り返したのち、私と娘はCVポートに刺さっている針の抜き方を看護師さんから教えてもらうことに。
CVポートに針が刺さっている練習用のマネキンボディを使い、説明を受けながら抜針にチャレンジ。
無理して引き抜かないことや、針先についた薬剤が手に付着することがないように、被爆することになりますからって、怖いこと言う。
数回練習してマスターした私と娘は、いよいよダンナの本物ボディーで試すことに。
まずは両手を消毒してグローブ装着して、まずは娘から。見たくもないダンナの乳首を目の前に。
ちぎってもいいぞ。。。
CVポートに刺さっている針も、腕にする点滴と同様に、針が抜けないようテープで保護されている。
なので抜針するためには、そのテープを剥がすところから。
看護師さんが優しく剥がし始めてくれた。
なかなか剥がれにくいのか、看護師さんは「よいしょ、よいしょ」って。
私と娘の耳には「よいちょ、よいちょ」って聞こえた。
たぶん、ガン見していた私と娘から出ていた強めの圧は、若くてかわいい看護師さんにはキツかったと思う。
よいちょよいちょで剥がしたテープ。
いよいよ抜針の時。
「痛っ!」っとダンナが。
わざと言うなよダンナ。
通院で抗がん剤治療を始めるようになると、朝8時までに病院へ行って採血を行い、外来で診察をして、治療が可能なら抗がん剤を受ける。専用の点滴室へ行く。
フォルフィリノックス(FOLFIRINOX)は3種類の薬剤を投薬するのですが、最初の薬剤の2種類は病院の抗がん剤の治療室で。3種類目の薬剤に差し替えたところで、自宅に帰る。
だいたい夕方の4時頃私が迎えに行くことに。
3種類目の抗がん剤の薬剤は、専用の小型ボトルに入っていて、これまた専用のポシェットを腰ベルトに付けておく。
家にいるときは、自分の脇に転がしていた。
お風呂に入るときは、専用のメッシュ素材の袋にいれ、首からぶら下げる。
点滴の入る速さは、体温を感知する何かを貼られているらしく、点滴が落ちる速度が遅すぎたら、体を温めてみてくださいといわれた。
3種類目の薬剤が空っぽになるまで、翌日の午後3時くらいまでかかる。
たまたま日曜日だったので、私か娘が抜針。
誰もいないとダンナが一人で抜針。
毎回家で抜き終わった針は、病院から渡されたバイオハザードのシールが付いた筒に溜めていきました。
取り扱いには十分注意して、慌てず。
慣れても十分注意して。
話は戻るが、抜針の練習を終え、帰りの車の中で私と娘で
「絶対『よいちょっ』て言ってたよね!パパもパパだよね、喜んでいたよね」
「でも『よいちょっ』って言っているの、似合う人だったよね~」
家でダンナの抜針をする前に、テープを剥がすとき、時々私は「よいちょよいちょ」と言って剥がしてやった。