今日は、この曲

フジファブリックの「夜汽車」

アルバムは、デヴュー・アルバム『フジファブリック』（2004年）で、この曲はアルバムの最後に収められている。

他にも、「桜の季節」や「陽炎」、「サボテンレコード」、「赤黄色の金木犀」など好きな曲もあるが、「花」やこの曲が沁みる。

バンドは、志村正彦を中心とした富士吉田市の高校時代のバンドメンバーで結成、インディーズ時代に『アラカルト』（2002年）、『アラモード』（2003年）の2枚のアルバムを発表している。

Spotifyで、これらのアルバムを聴いてみたが、なかなか新鮮で悪くない。

私の次男が高校時代に先輩に誘われて参加したバンドがフジファブリックのコピーバンドだった。

演奏を音源だけで聴くとシンプルに粗がわかりやすいものであるが、なかなかうまい演奏だったと親バカながら感心している。

　長いトンネルを抜ける

　見知らぬ街を進む

　夜は更けていく

　明かりは徐々に少なくなる

　話し疲れたあなたは

　眠りの森へ行く

　夜汽車が峠を越える頃　そっと

　静かにあなたに本当の事を言おう

「本当の事」って、何だろう？

単に「好き」という意思表示ではなさそうな気がするが、作った本人にしかわからないし、今では誰も聴くこともできない。

ギターとヴォーカル、そしてバンドのほとんどの曲を書いていた志村正彦は、2009年のクリスマスイヴの日に亡くなった。

クリスマスイヴに人知れず一人で逝ってしまったというところも、何か象徴的な気がする。

当時は、自殺ではないかとか、ストレスや過労による不整脈だとか、様々な憶測が飛んだが、「本当の事」ははっきりしない。

はじめて聴いたときは、歌がへたくそだとか、メロディがセンスないとか、正直、そんな印象だったが聴いているうちのその個性がクセになってきて、彼の詩の世界にも引き込まれた。

最後にもう一曲「茜色の夕日」

彼らが音楽を目指して上京したときに作った曲だという。

これも大好きな曲である。

動画は、MCも含まれているので全体では10分以上であるが、志村正彦の「想い」の片鱗を知ることもでき、歌の最後で感極まるところも感動的である。

夜汽車／フジファブリック