離婚に関する本などを読んで知ってはいた。

厚生年金保険料を多く支払ってきた方が、少ない方へ分割をする。

夫の方が妻より収入が多いケースが大半だろうから、大体は夫から妻へ分割するパターンになるだろう。

しかし、国民年金保険料はこれに当たらず、厚生年金保険料のみが分割の対象になっている。

夫が自営業やフリーランスで、妻が会社員の場合は、妻が夫に分割しなければならない。

私はずっと会社員であったし、夫は会社員だった時期も少しだけあったがほとんどはフリーランスや自営だった。

厚生年金保険料を支払ってきた期間が私の方が圧倒的に長いので、調べるまでもなく、私が夫に分割しなければならないのは明らかだった。

 

裁判の中では、年金分割の話は出ていない。

夫が年金分割のことを知った上で、お前の微々たる年金なんか要らねーよと思ってそうしているのか、そもそも知らないのか、あとで請求するつもりでいるのか、分からない。

しかし、夫の性格上、微々たる金額だったとしても、嫌がらせとして請求してくる可能性は否定できなかった。

 

離婚後に通知書申請を行うとこちらが申請したことが相手にも分かってしまうので、離婚前にやらなければならないのも知っていた。

弁護士さんからも調べておいた方がいいと言われたので、請求方法をネットで調べた。

郵送でも可能であることが分かったので、ひとまず記入書類をプリンターで印刷し、記入してみることにした。

しかし、よく分からない部分が出てきてしまったので、これでは郵送で請求することは難しいと思い、直接年金事務所に行くことにした。

平日仕事を休んで行かなければならないのかと思っていたが、ネットで調べると、月1回土曜日が開いているというのが分かったので、その日を狙って行った。

 

最初に、予約したかどうかを聞かれた。

予約はしていないですと答えた。

この後の時間に、他に予約した人がいたようだったが、その前に対応してもらえることになった。

座って待つように言われる。

待合スペースには誰も座っておらず、空いていた。

 

すぐに窓口に案内された。

記入につまずいたところについても丁寧に説明してくれ、とてもありがたかった。

夫の基礎年金番号がわからなくても、大丈夫だった。

もらえる年金の見込み額は、50歳以上でないと分からないようだ。

届いた通知書で、最初に書いてある名前を確認してねと言われた。

最初に名前が書かれている方が、次に名前が書いてある方へ分割するから、と。

親身に対応してもらい、何だか応援してもらったような気持ちになった。

お礼を言い、年金事務所を後にした。

 

1ヶ月も経たなかったと思う、しばらくして通知書が送られてきた。

最初に書かれていたのは、やはり、私の名前であった。

 

当然、こちらからわざわざ言うことはしない。

夫側が年金分割について言ってこないことを祈るだけだ。