印象派はあまり好きじゃない。
 でも、日本では印象派展が多いんだよなぁ…。
 丁度、経済的にも文化面でも、日本から欧州への渡航が広がり始めた頃に流行りだしていたのが印象派だったため印象派の絵画や画家を語れる日本人が育ったこと、高度経済成長期やバブル景気等に誕生した(情操教育を受けていない)新興富裕層にとって「見たまま、感じたままに評価して良い」という手軽さ等によって日本で広まった。
 富裕層が好んでコレクションすることで富の象徴の様に扱われるとともに、(日本語の研究成果が多くなり)学校教育にも取り入れられて一般教養化したことで、「絵画といえば印象派」というのが定式化した様に思う。

 本当は、そういうものではない筈なんだけどな…。
 元々は、芸術作品には明確なランク分けがあって、①神話②歴史③王公貴族の肖像画④風俗画⑤風景画・静物画とされていたが、作品の主なオーダー元が教会⇒王公貴族⇒豪商⇒庶民へと移り変わり、それにともなって画家の報酬も減額。更に、写真機の発明で画家の存在意義すら危うくなっていった。
 そんな中で生き残りをかけ、それまでの様な「本物っぽく描く」から、手書きの良さを引き出す為に試行錯誤していた画家達の苦労が作品に表れている。

 ものによっては、離れて見て躍動感を感じ、近づいてその躍動感を表すための画家の工夫の痕跡から画家の才能や労力に思いを致したり、点や筆のタッチの配置、色の配置で描くという技法の発明に感心したりするのが本来の観賞法だと思うんだけど…

 つまり、鑑賞者自身に西洋絵画の心得(知識でなく技能)がなければ、価値は半減以下だと思うのです。
 私は心得がないので、正しく理解できない。だから、印象派は好まない。
 古典、バロック、シュルレアリスムは好き。
 テーマが明確で、高校の世界史程度の知識にキリスト教の主題幾つかを理解していればある程度理解できる。そして、シンプルに画材の高級感が見れば分かるレベルで上質!
 早く、国立西洋美術館の工事終わって欲しい。

 展覧会での話。
 皆、柵ギリギリまで近寄って、真正面で1、2分停止。
 「何してるの?」って聞きたくなる。もしかして、何かを感じ取ろうとしてるのかな? 感じ取れるのかな?
 私はセンスがないのでさほど感じ取れるものはないけど、何かを感じ取れるのなら羨ましい。
 そして、一度離れて観て!
 密集して観るもんじゃないでしょう!

 30分で鑑賞終了。殆どが1年以内に別の特別展等で鑑賞したばかりのものだった…。