人々の間の差別や格差。

この不思議の国に出入りするようになる前は、そのようなものをあまり感じた事がなかった。


しかし、結婚して、この国に出入りするようになって、格差や差別というものが厳として存在するということを意識せざるを得なくなった。


以前、お世話になっていた”国”では、まず言葉遣いで選別された。


なぜなら、私は子供の頃から海外で生活することを余儀なくされたため、日本語が少し怪しい。


うっかり親がいつも話していた九州弁丸出しで受け答えしたため、お上品なおば様の眉をひそめさせてしまった。


そのおば様は早速私を選別にかけ、「無教養な下流の女」の判定を下したらしい。


最初はそんなことにも気付かず、ノンビリしていた。


しかし、”国”の中では、「あんな無教養な女が我が国が誇るエリート男子と結婚したなんて許せない!」という雰囲気が人々の間で広まって行った様に思う。


この”不思議の国”では、悪い噂や腹黒い悪巧みはすべては水面下で起こり、進行していて、表面上は実にお上品に装っている。



私たちはその空気に耐えられず、今の”国”に逃げてきたのだが、この国にもまた別の種類の格差社会が存在することに気付き始めた。


その格差とは、経済的なものである。


この国の人々には、何かしらの経済的線引きが存在するようである。


私たちは初め、上の階層の人たちに迎えられた。


多分、夫の教養の高さと押し出しの良さ・・・などから、”上”の部類に属する、との選別がされたようである。


でも、私は? 口下手で不器用で、引っ込み思案な女・・・


いずれ、遅かれ早かれ、自分達を”上”に属すると思っている人たちに蔑みの眼で見られるのだろう。


もう既にその兆候がチラホラと感じられる。


幸いこの”国”は前の”国”より国民が多いので、人を傷つける眼にいつも晒されることはない。


今まで私達を敬遠していた”下”の人たちが、多分味方になってくれるだろう?と期待しているのだが・・・


そううまくは行かないだろう。


ここでもまた生き辛さに苛まれるのかと思うとウンザリする。


もっと強くならなくては、もっと思いやりのある人間にならなくては、と思う。