学校のプールの授業が好きじゃない女の子が居ました。
なぜなら彼女は泳げないからです。水に潜る事も出来やしない。
……それに泳げないからバカにされるのがたまらなく嫌だったのでしょう。
みんなは泳げるのに自分だけがビート板を使い、端っこで泳がなくてはならない。
彼女はプールの授業の時だけ「惨めな存在」でした。

そんな彼女の前に「天気を自在に操る」という人物が現れた。
彼女はお願いしてみる。「プールの授業を雨にしてほしい」と。
その人物は「へぇ。お前ってプール苦手なのか?」と、うやむやな返答。

翌日。

彼女は「雨が降るだろう」と思っていたが……降らなかった。
「なんで降らさなかったの!?」と問いつめる。

すると、こう答えたのだ。

「苦手ならそれを克服しろよ。乗り越えろよ」と。

あぁ、そうか。と彼女は思った。自分は逃げていただけなのだと。
自分の苦手な事、嫌いな事から目を背き、逃げたかっただけなのだと。

「でもお前の気持ちもわかる。
自分も天気を操って過ちを犯し、逃げていた事がある。
いや、逃げている最中かな」

彼女は聞いてみた。

「自分は今お前にそうは言ったものの、天気を操れない。
いや、昔は操れたんだが今は怖いんだ」

「怖い?」

「昔、腕が未熟だったのか、間違えて力を入れすぎてしまった事がある。
困っている人を救おうとしたけど、救えなかった。トラウマさ」

「好きだった子?」

「あぁ、そうだね。好きだった子さ。でも天気の力で死なせてしまった。
殺してしまったようなものだ」

「大丈夫だよ!!」

「?」

「あなたの天気を操る力は……!きっと人も救うし、自分も救う!
だから自分の持っている長所を潰したりしないで……」

彼女は水泳の授業を頑張り、泳げるようになった。
全てが順調に見えたその矢先、とんでもない事が起きる。

火事だ。彼女の家で火事が起きた。
彼女は逃げ遅れて一人、家にとり残されたままになる。
このままでは死んでしまう。

「助けて!」

窓から助けを乞う。
火の力は強大だった。消防車でも消せない。

天気を操って雨を降らす事は出来る。しかし、また間違えて
死なせてしまったらどうする?怖い。

でも……救いたい!!彼女を……!!
何も出来ずにこのまま……立ち尽くしてる訳にはいかない!!!

その時、大雨が降った。
家は見事に鎮火した。死者もケガ人もでなかった。

しばらく経ったある日。彼女は聞いてみる。

「あの時、力を使ったんでしょ?ありがとう」

「お前に偉そうな事を言っておいて自分だけ何もしない訳にはいかなかったし、
それに……、ケジメをつけたかったからな。

あの子もきっと喜んでると思う」

「ねぇ?本当に天気を操れるの?実際に見ないとわかんない。
ちょっと試しにやってみてよ」

「いいだろう」

指をパチン、と鳴らした。

季節は夏なのに雪が降ってくる。しんしんと積もっていく。

「わぁーーー!!すごーーーい!!!」

「同じ反応だな」

「え?」

「好きだった子もそんな反応をした」

「どんな子だったの?」

「お前にそっくりなやつさ。もしかしたら生まれ変わりかもな」

「えー?そうなの?生まれ変わりかー。そんな事無いよ~。○○~!」

まさか?彼女には名前を教えてないのに。
それに名前を知ってるのは……。

「君と雪合戦するのは久しぶりだねー」

そうか。そういう事か。

空を見上げた。

この天気を操る力は不思議だ。
この力でこれからも多くの人を救っていくだろう。
いや、救うんだ。

そう決意した。


~END~


~あとがきのようなもの~
大ざっぱな流れですけど、こういう物語を思いつきました。
ちゃんと物語していますでしょうか?話が破綻してないでしょうか?
清書して書く(予定)なので一人称とか、天気を操る人の性別とか名前、
物語の題名など細かくまだ決めてないです。

必要最低限の人物で一つの場所を軸とし、時間の流れと人物の成長を表す。
そして物語にテーマとメッセージ性を設ける事。

……というのが、こだわりなので今回は場所をプールとしました。
「あぁ、デラベッピンレベル4らしい物語だ」って思えるような
そういうのを描きたいです。

最近……25歳にもなって、こういう物語しか描けない自分って
すごく浅いんじゃないか?って思ってしまう日々。
大人らしい物語描きたいんですけど、大人って何?
25歳らしい。ふさわしい物語って何だろう?
俺と同い年のラノベ作家、日日日さんのライトノベルでも読もうかな……。
なんかもう……、25歳らしくない自分に自己嫌悪なんです。

絵も話も……とても大人が描いてるとは思えない。
子供っぽい自分がなんとなく嫌なんです。

でも俺は頑張っていきたい。頑張りたい。
キャラクター動かしたい。物語させたい。
あたたかい気持ちになれるようなのを作りたい。