第四弾は内山高志さん。
●内山高志とは?
元アマチュアボクサーでオリンピックを目指していたものの敗退してその夢は叶わなかった。
本人はもうスッパリとボクシングと縁を切るつもりでいたのだが、当時ワタナベジムのマネージャーをしていた瀬端さんに説得されてプロの道へ。
プロの世界では連戦連勝でKO率も非常に高いボクサーとなった。
通称は「KOダイナマイト」
拳はまさに爆弾を仕込むような破壊力。
●内山高志さんとの出会い
実は僕は内山高志さんと会った事があります。
その時に勤めていた会社がスポンサーをやっていたのでその関連で試合を見に行ったり練習を見に行ったりした事があります。
一番最初は試合を見に行きました。国際展示場で開催された世界戦です。
●世界王座奪取
王者ファンカルロスサルガドに挑んだ戦い。
この時に僕は内山さんの試合を見たのは初めてだった。ボクシングの世界戦を会場で観戦したのも初めてでした。
名前と戦績だけは知っていて、KO率の高さからゴリゴリのファイターを予想していた。
しかし試合が始まってみればその試合運びに脅かされた。
王者はホルヘリナレスを倒した危険な相手。にも関わらずクレバーでシャープな試合運び。
全て計算ずくで作られる試合内容は僕の見る目を一気に変えた。
ガンガン前に出て手を出すだけじゃなくこうやって追い詰めて倒すスタイルもあるのだと。
しかし今回は判定だなって思った。
が、最終ラウンドも終わるかって時にダウンを奪った。王者は立ち上がるものの内山さんの鋭い詰めの前には無力だった。
会場内のボルテージはまさに最高潮。僕の前の席の人たちが一斉に立ち上がるもんだからフィニッシュシーンをしっかりと見逃した。
こうしてKOダイナマイト内山高志はWBA世界スーパーフェザー級の王座を獲得。
●王座戴冠から防衛戦
初防衛戦の相手は同じ階級とは思えない程の長身選手。
僕はこの初防衛戦の前に練習を見にワタナベジムまで行った事があります。スポンサーをしていたオーナーから声をかけてもらったからです。
ミット打ちを見た時に衝撃を受けました。
内山さんのパンチが見えない。動いたって思ったらミット当たった音がした。そんな感じでした。
その時は一応キック経験者で全くの素人って訳でも無かったのでそれでした。
後はスパーでしたが先述したように相手は長身の選手なので上の階級の選手相手にスパーしてました。ウエルターと聞いていたので3階級上ですね。
しかし階級の上の相手でもガンガン手を出してボッコボコにしてました。中にはヘッドギアあるのでカットしてしまった人もいました。ファウルカップ無ければボディで倒れてたよなってのも見ました。
とにかく世界王者内山高志の練習は何から何まで凄かったです。
スパーは最終的には当時スーパーフェザー級の世界ランカーだった福原力也とやり合ってました。
●華麗なる防衛記録
顔面の骨折、目が腫れてしまって戦闘不能、失神KO、ボディブローで悶絶、考えるだけでも嫌なフィニッシュシーンばかりで対戦相手は血も凍るようなボクシングの恐怖を叩き込まれてリングを後にした。
今回は苦戦するんじゃないかと言われた試合でもあっさりと勝ってしまった事もあって驚かされた。
その功績が称えられてなのかまでは分からないですがスーパー王者に認定される。
防衛回数は11回に伸びておりこのまま行けば具志堅用高の13回を更新するんじゃないかとまで言われていた。
●まさかの王座陥落
しかしこの陥落に関しては色々あったものが一気に噴き出してしまった部分もあったんじゃないかとも思いました。
ここからは私見なんですが、内山さんは前々から海外での試合を希望していた。しかしそれはなかなか叶わず。
当時同級で強いと言われていたニコラスウォータースの対戦や正規王者との統一戦を希望していたが結局はそれも叶わず。最終的には暫定王者コラレスとの対戦となった訳ですが、普段はあまり不満を口にしない男がモチベーションがと言っていたので相当なショックを受けていたと見受けました。
そして所属ジムは正規王者との対戦交渉の為の場所にもいなかったと聞いた事もあったのでそうゆうの全てが影響したんだと俺は思いました。