高校三年生の初夏、俺は

堀越高校芸能科との合コン

に参加したことがある。


前日は眠れなかった。

なんせ堀越芸能科。

つまり「芸能人」と合コン。

財布のコンドームを

一つ追加した。


合コンの日は平日で、

学校終わりに予定されていた。


勝負服のピンクのシャツに、

エルメスのネクタイを装着して

準備完了。

意気揚々と家を飛び出した。


母親に向かって

「今日飯いらないわ」

「なんで?」

「堀越芸能科と合コン」


母親に合コンの話をしたのはこのときが

最初で最後。

舞い上がってたんだなあ・・・


あいにく、当日は小雨だった。

にもかかわらず、当日の体育の授業は、

グラウンドで強行された。


これはまずい。

天パーである俺は雨に弱い。

体育が終わった後には、

もう大変な髪型になっていた。

マリオみたい」とか言われた。

(マリオの髪型ってなんだよ)


あのときほど体育教師を殺そうと思ったことは無い。

あいつの脳みそは筋肉でできているに違いない。

そう、戸愚呂弟(120%)に違いないんだ。


しかしいつまでも

クヨクヨしているわけにはいかない。

俺は髪型を整えるべく、

昼休み返上で髪型を整えた。

友人から借りたワックスを

半分ぐらい使った。


髪型はなんとか40%ぐらいまでの状態まで復元した。


6時間目が終わり、

聖戦に臨む男子が終結した。


なんかみんなかっこいいよ。

輝いてるよ。

おまえら最高さ。


みんなニヤニヤしてる。


いざ聖戦へ!


足取り軽やかに、使命を背負った男たちは、

渋谷駅へと向けて歩き出した。


つづく