彼方に見える光の瞬きが 遥かな故郷に私を導く

 再び出会うことへの恐れ 忘れたはずの過去が甦り
 
 私の人生と対峙する

 思い出に満ちた多くの夜が 私の夢を紡いでいく
 
 旅人はいくら逃げても いつか立ち止まる時が来る

 たとえ忘却が全てを打ち砕き
 
 幻想を葬り去ったとしても
 
 慎ましい希望を抱く それが私に残された心の宝

 帰郷とは 皺の寄った額 
 
 歳月が積もり銀色に光る眉

 抱く感傷 人の命は束の間の花
 
 二十年はほんの一瞬

 熱を帯びた目で 影の中を彷徨い探り出す 

 私の人生は 甘美な思い出に縋りつき
 
 再び涙に咽ぶ


                     
                             <帰郷>

沙耶の世界   -saya’s world-