防波堤が築かれた 土用の夜波は入れない

 防波堤が高くなる 哀しい夜波は

 飛沫を上げて 泣いている

 疑念を抱く夜波ゆえ 寄せては返しの繰り返し

 諦めきれぬ夜波ゆえ 満ちては引いての繰り返し

 防波堤は冷たく光る 遠くなる

 哀しい波は 飛沫を上げて背を向ける

 望みを捨てた 涙の海の夜波ゆえ

 寄せては返すを度重ねるだけ

             
               
                               <夜波の哀歌>

沙耶の世界   -saya’s world-