霧が漂う豊かな実りの季節よ 恵みの太陽の親密な友よ
  

 秋は日の光と手を携えて 生垣を這う葡萄にも実りをもたらす
  

 苔むした庭木に林檎の実を実らせ 一つ残らず熟させてあげる
  

 ひょうたんを膨らませ ハシバミの実を太らせ
  

 蕾の生長を少しずつ促して 花が咲いたら蜂たちにゆだねる
  

 蜂たちは巣が蜜でねっとりとするのをみて
  

 暖かい日がずっと続くことを願うだろう

 

 秋がその実りを店先に並べる
  

 わざわざ外に探しに行かずとも
  

 秋の実りは倉庫の床に無造作に転がっている
  

 風に吹かれて繊毛をなびかせながら
  

 秋は盛り上がった畑の畝にも並んでいる
  

 ポピーの香りに咽びながら
  

 鎌はそれらを刈りきれずに花もろともに残すのだ
  

 また時に落穂を拾う人は 頭に収穫を乗せて小川を渡る
  

 林檎搾り器は刻一刻と 林檎の汁を搾っていく

  

 春の歌はどこへいった あの歌はどこだ
  

 気にかけることはない 秋にも秋の歌がある
  

 千切れ雲は暮れ行く空を彩り 夕日が大地をバラ色に染める
  

 川柳の林には蚋たちが 悲しげなコーラスで歌を歌い
  

 水上を光のように浮き沈みする
  

 太った羊たちは丘の小川のほとりで啼き
   

 藪コオロギも負けじと鳴く
  

 駒鳥は庭の畑で呼び声をあげ すずめは群がり空にさえずる


                                                <秋に奇す>