ただひとたび 思いがせまって


眼をあげて あなたを見つめたのだが


その日からは 大空のもとに


あなたのほかのものを ながめることはない


夜中に瞳を閉ざしても 無駄である


私の夜は 真夏のようになり 訳もなく立ち現れる


そのあなたは 夢でしかない


救われぬ夢だ 限りない障りが


あなたと わが運命とを 隔てている


そして私の情熱は目覚め 心がざわめき狼えるが


あなたの心には 常に 安らぎがあるように


                                       <あるひとに> バイロン