昨日からの続きです。
ブログタイトルとは離れた内容になりますが、
話の続きという事でタイトルをそのまま使わせて頂きます。

さて、奥さんが「言わないで」との事、あまり知られたくないのだろうから、これまで通り接しようね、と妻と話したことでした。

彼女はとても我慢強いひとで、妻が言うには「あの従兄弟くんに仕えてるんだから、相当我慢強いのは間違いないよ!」
それはジョークですが、彼女はいつも微笑んでいて、他人の前ではけして苦痛の表情を浮かべたりしませんでした。

しかし、そんな彼女の本当の姿を一度だけ見ることがあったんです。
真冬の寒い日だったので外気が辛かったのでしょう、
彼女は「少し車で休んできますね^^」と笑って車に向かいました。
しばらくしてワタシも自分の車に道具を取りに行くと、従兄弟の車の助手席を倒し、横向きに寝た彼女の姿が目に入りました。
その彼女の顔、今でもありありと浮かんできます。
目をカッと見開き一点を見つめ、眉間に皺を寄せ、歯を食いしばり、一生懸命痛みを堪えているのであろう顔…。心配になったワタシがすぐ傍まで行っても、全く気付く様子が無い程でした。ワタシは何も声を掛けられず、その場を離れました…。

1時間ほどして釣り場に戻った彼女の顔からは、笑みがこぼれていました。
「ゴメンナサイ、寝ちゃってました~^^」
みんなに心配掛けまいとして、こんな「優しいウソ」のつけるひとでした。

その前年末に従兄弟と奥さんは、ライブハウスを移転オープンさせ、忙しくなったのかこちらへ出向く機会も激減しました。

そのライブハウスにワタシの紹介したバンドが出演するので、妻と二人で出かけた事がありました。
従兄弟がオーナーで、奥さんがママ、彼女は大分遅れて入店しましたが、さすが店では病気だとおくびにも出しません。テーブルをにこやかに廻っては談笑し、その中の誰があの苦痛に歪んだ顔を想像できるでしょうか…。

しかし、閉店まで接客することは辛かったのでしょう、
途中で「ごめんなさい、帰りますね^^。ごゆっくり^^」

それから3ヵ月ほど連絡が無く、丁度ワタシ達がハウステンボスの
ホテルに宿泊した夜、従兄弟から突然メールが来ました。
以下、そのまま掲載します。

寝てましたか? 2009/05/31 23:40

実は、登志子が余命2ヵ月だそうです。本人は助からないとは薄々気づいてますが余命2ヵ月とは知りません。水曜日に最後の入院する事になりました。そこの病室は末期の人達が最後に入院する所です。今は、前に久留米に来てもらった時より痩せて衰弱してます。今日は遅いので詳しい事は明日電話します。こんなメールですいませんでした。追伸、実は俺も腰で入院してます。end

二人でハウステンボスを一日満喫し、夕食も済ませ、
夜の街も堪能し、部屋でさあ寝ようか…、
といった矢先のことでした。

当然ワタシ達はショックで眠れません。
いつか来る事は覚悟していたとはいえ、余命2ヵ月とは…。
折しも5月初旬には、映画「余命1ヶ月の花嫁」を観賞し、
二人で号泣したばかりの時期でしたので、
その衝撃の大きさと言ったら
たとえようのない程のものでした…。

お見舞いに行く時に、何かこちらの物で食べたい物は無いか?と聞いたメールの返信。

Re:今から出ます 2009/06/28 13:03

食べ物はいいそうです!「釣りに連れてって」だそうです!
着いたら個室なので電話をかけてもらっていいですよ。end

これも奥さん流のジョークですね。しかし、それだけこちらに来て釣りをするのが楽しみだったのでしょう。
うちのボロボートで釣ったり、磯に渡ったり、漁船に乗せて貰ったり、イカダに渡って釣ったり、夜釣りをしたり、景色のいい隠れスポットに連れていったり等、何もかも彼女にとっては初めての経験であり、心から楽しめた日々だったのでしょう…。

着いた病棟は、大きな大学病院の最上階にある「緩和ケア」とか「ターミナルケア」などど呼ばれるところでした。
もの凄く見晴らしが良く、ここが病棟なのか?と感じる程、素晴らしい所でした。
彼女が「8月の初めに一番大きな花火大会があるんですよ。ここからとっても良く見えるらしいです。^^」と言いました。
そう言った後ポツリと「私は見られるのかなぁ~^^」

その前に彼女は、具合が良くなったら退院する、と言ってましたので、8月初めまでには退院しているから見られない、と思ったのか、それまで生きていられるのだろうか、と思ったのか、今でもワタシ達にはわかりません。

ごめんなさい。まだ長くなりそうなので、今日もこの辺で
締めさせて頂きます。続きは明日、完結致しますので
よろしくお願いいたします。