【芳垣文子】 「普通に暮らすことが、すごいことなんだって分かった」。神奈川県秦野市の高校1年生下木原(しもきはら)凌吾(りょうご)さん(15)は、小学生のときに「急性リンパ性白血病」と診断され、神奈川県内の大学病院に入院した。




当時はエースナンバー「10」を背負う元気なサッカー少年。小学5年生だったある日、38度超の発熱が続き、精密検査で病気がわかった。院内学級に通うため、転校の手続きをした。

闘病生活が始まり、薬の副作用で抜ける髪の毛。母由美子さん(47)は、息子の頭を洗ってやりたかったが、さらに抜けてしまうと思いためらった。クリスマス前には膵(すい)炎にかかり、2週間何も食べられなかった。

「ずっと付き添ってあげたい」。由美子さんはパートの仕事をやめようとした。でも、凌吾さんは「やめないで」と頼んだ。仕事をしている母の生き生きした姿が好きだったからだ。

入院中は、元の小学校の同級生たちにも励まされた。転校しても、野外活動の班のメンバー表や席替え後の座席表にも、凌吾さんの名前があった。行事のたびに手紙も送ってくれた。

下木原凌吾さん(左)と母の由美子さん=神奈川県秦野市

「みんなで梅を漬けました」「田んぼの観察に行ったよ。メダカの卵が産まれたよ」「ぼくは入院したことないからどんだけつらいのかは知らないけど、凌吾くんなら大丈夫だからね」

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