前回からの続き

 

先生に
「手術前に一度退院してから、再度入院していただきます
その間にご夫婦でゆっくり温泉でも行かれたらどぉですか」
と言われた。
そしてまだ、この時は膵臓癌の生存率を自分は知らなかった
「そぉですね、気が向いたら行ってみます」
先生が最後に
「では、ゆっくり家族ですごしてください」
言われて、この説明の場は終わりとなった
「やっと退院できるよ」
退院準備をしながら嫁に話しかけると
「またすぐ入院だけどね」
と言われる
「まいったねぇ、早く手術とか終わって普通に戻りたいね」
「そうなるといいわね」
次の日退院となった
 
また次回
 
実はこの時、嫁は膵臓癌について調査済みで
生存率も非常に低い事は知っていたのだそうですただ、明らかに無知で能天気な旦那に
現実を知らせるのはどうかと思っていたそうです
 明るく接してくれていたので気づきませんでした
 嫁に感謝です
この後自宅に帰ってからネットで膵臓癌を調べて
現実を思い知らされる自分となりました
しかし、不思議とこの時あまり悲観的にはならず
「自分はまだ癌患者としては年齢は若いので
生存者グループに入るのだろうな」
とかってに思っていました
今思えばこの楽観的な気の持ちようは大事なのかなと
思っています
 
 
 
 
 

前回からの続き

 

翌日お昼
外科の先生から具体的な手術の説明があった
「胃のお尻の部分から十二指腸全部と
 胆管と胆のうと膵臓の一部を取り除き
 小腸を上に上げてきて胃と肝臓と残った膵臓を
 つなぎます」
と絵をかきながら説明された
すごくわかりやすい3Dの絵だった
自分は
「膵臓の腫瘍だけ切除するのではないのですか」
と聞いたところ先生が
「膵臓癌は転移の危険が高いので周りもごそっと切除するんですよ」
「あと膵臓近くに通っている血管の具合によっては
 ふとももの血管を移植します」
「手術は10時間程度はかかる見込みです
 もし1,2時間で終わった場合は
 腹膜に転移していて手術を中止した場合です」
「その場合は残された時間のお話をすることになるかと思います」
「・・・・・・」
「何か聞いておきたい事はありませんか」
色々聞いたと思う、先生は丁寧に回答してくれた
 (また思い出したら別の機会にでも書ければと思う)
 
続きは次回
 
手術の説明や質問に答えていただくなどの
機会は数回に分けて行われた記憶がありますが
どのタイミングで何を話したか忘れてしまっています
申し訳ありません
ただ、記憶に残っている事は記載していきます
 
全く参考にもならないとは思いますが
生きていて何とか社会復帰をしている人間もいる
そのことが重要ではないかと思って書いています
 
また、次回、、、

 

前回からの続き

 

数日後、まだ入院をしている自分のベットに
外科医の先生が突然現れ
「こんにちわ」
と明るく挨拶をされ
「いつ手術しましょうか、来週あたりでどぉですか」
明るい雰囲気に押されて
「いいですよ、いつでもかまいません」
自分は会社に、癌の可能性が高い事
手術をする旨を伝えていて
会社も色々対応してもらっていたので
あまり心配事もなく、気楽な気分だった
「ご家族に手術内容等の説明をしたいのですが
明日奥さん来られますか」
「昼過ぎには来れます」
「では13時頃に伺いますね」
先生は颯爽と帰って行った
この時自分は膵臓癌がそのようなものであるか
そして手術の内容など全く知識がなかった
おなか切らないでパイプみたいな器具で
手術するのかなぁ と思っているぐらいだった
 
今思い出してみると
この無知さが良かったと思っています。
この時に膵臓癌の生存率や手術の大きさ
を知っていたら色々考えてしまい
かえって悪い方に進んでいたかもしれません
ただ看護師さんの自分に対しての接し方が
明らかに変わったのを覚えています
 生存率の悪い癌の代表ですから
 
知識を得て不の方向に精神が向かうぐらいなら
知らないで明るく過ごしていくのも
一つの選択かもしれません
 今思えばですけれども、、、

 

また、次回、、、