帰宅すると
家の中の空気がいつもと違っていた

居間に座る父の横顔は
何故だか寂しげで
疲れているようだ




「何かあったの?」



少し間を置き父は答えた



「従姉妹が亡くなったんだ
葬儀には出られそうもないから
香典を届けてきた」



父は足が悪い


しかし
ひとたび自転車に乗れば
何処へでも行くフットワークの軽さを
持ち合わせている


とは言え…
子供の頃から親しくしていた
従姉妹との別れは
父にも堪えているようで
顔には疲労感が見え
その瞳は赤かった



ひとの一生は
誰かの人生との
交差点の連続



永久の安息に憩われることを
心から祈る