地球最後のナオン LAST WOMAN ON EARTH 1960 | ポークビッツ博士のB級映画探索隊

地球最後のナオン LAST WOMAN ON EARTH 1960

明けましておめでとうございます。

今年も皆さんが忘れた頃に更新していきます。ヨロシイカ?


さて昨年末、マヤ予言を信じてレクサスを買ったアナタにも、
明日のバイト行きたくないアナタにも、
ついでにそよ風で吹き飛ぶ零細CEOの元にも
新年がやって参りました。


皆様どんな初夢をご覧になりましたか?


もちろん皆さんはこんな所に来られるへんたいですから、

とても口で言えるような夢でないことは百も承知しております。


そこで今回は新春初夢特集。


ロジャー・コーマン先生が皆様にかわり、
口では言えないような夢を描いた作品をご紹介します。



地球最後のナオン LAST WOMAN ON EARTH 1960


社長  ラオウ

弁護士 ケンシロウ

ナオン ユリア

今回は正月明け特別編集。

酒でふやけた脳味噌にも優しいキャスティングでお送りいたします。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


一九九X年
世界は核の炎につつまれた!!

海は枯れ
地は裂け……
あらゆる生命体が絶滅したかにみえた……
だが…

人類は死滅してはいなかった!!!!



アカプルコの海でスキューバを楽しむラオウ社長と愛人ユリア。

そして社長の金魚のフンこと洗濯屋ケンちゃんの三人。

彼らが仲良くスキューバダイビングを楽しんでいたほんの数分の間に
地上はとんでもないことになっていました。



なんと謎の毒ガスにより
人類が滅亡していたのです。



「えらいことだ。
潜っていて助かったのは我ら三人だけか・・。」


パイプをくわえたラオウが死の町を目の当たりにしてつぶやきました。


「と言うことはラオウ社長がこの世界の支配者ですよ。ハッハッハ。」


ケンシロウがラオウのご機嫌をとりにかかりましたが、
隣のユリアは悲しげです。


「と言うことはフォーシーズンズもメイシーズもないのね。グスン・・。」

「うむ。とりあえずは友人の別荘にいこう。あそこなら食料もある。」


──で、ここから延々と退屈な日常シーンが続きます。



会社もなくなり、悪い事も出来なくなったラオウは、
暇をもてあまし毎日魚釣りに出かけておりました。


その一方で構って貰えないユリアはというと・・・



ケンシロウとチチくりあっていました。

「ユリア、ああ、ボクのユリア・・。
そのパイオツに缶ビールはさんでくれないか。」

「お願いケン、ラオウを倒して。そしたら挟んであげるわ。」

「今のボクでは奴は倒せない。奴を倒すには究極奥義が必要なんだ。」



「じゃぁずっとこのままなの?
ケン、ラオウがある限りユリアはアナタの物にはなれないのよ。」

「・・・。」


「ラオウを倒すの、ねっケンちゃん。」


二人がそんな相談をしている頃、一方のラオウ社長はいい加減に魚釣りにも飽き始めていました。


そう、この平穏な日常は、悪いことばかりしてのし上がってきたラオウ社長にとって大変に物足りないものでありました。


そんなわけである日、ラオウは決心しました。


「おい、おまえら準備しろ。アメリカに戻るぞ!」


三人で朝食を食べていた時、不意にラオウが立ち上がりこう言いました。



「イヤだわ。ここにいれば食べ物もあるし、充分暮らしていけるじゃない。」


ラオウの言葉に珍しくユリアが反論すると、
ムッとしたラオウはケンシロウの方を向きます。


「愚かな奴よ。ここにいて何になる?なぁケンシロウよ。」



てめぇ一人で行っちまえってんだ、このハゲ!
という言葉を飲み込んだケンシロウ、

ユリアの顔色もうかがいながら、答えにくそうにモジモジしていました。


「そ、そうですね社長。でも・・でもボクは、その・・あの・・。」


「何だ?オマエらこの俺に何か文句でもあるのか!」



「やめてラオウ!ケンシロウ、いえケンちゃんは悪くないの。
悪いのはこの魅力的な私のナイスバディなの。」


全てを悟り怒り狂うラオウ。

愚か者の名前はケンシロウです・・・。


ついに二人の間に死闘が勃発したはずでしたが・・・。

ラオウがそばにあった石ころでケンシロウの頭を殴り
いとも簡単に勝利しました。


「ユリアを置いてここを出て行け!ケンシロウ!」

「あべしっ!・・・あ、はい・・分かりました。」


こうして別荘を追放される事となったケンシロウですが、
ラオウは同じ女を愛した男のために車を渡してやりました。


「餞別だ。とっておくがよい。」


「社長、こんな私にもったいのうございます。」


「二度とその面を見せるな。今度会った時はお前を殺さねばならん。」


「はっ、肝に銘じて。金輪際あなた様の元には現れませんとも。ヘッヘッ。」


そう言ってラオウのくれた車に乗り込んだケンシロウでしたが、
なぜか少し走った所で車を止めました。


すると林の中に隠れていたユリアが現れ、
ケンシロウの車に飛び乗ったではありませんか。



「ぬぉぉぉ!こざかしい真似を!」


怒り狂ったラオウは自分の愛車黒王号に乗り込みますが、なんとキーが付いていません。


ケンシロウの小賢しい頭脳がラオウを出し抜いたのでありました。


二人はラオウの慌てる姿をには目もくれず、一目散に海岸へ車を走らせます。



「これで安心だ。ラオウ社長といえども黒王号がなきゃ追ってこれない。」


「ホント、ケンちゃんってアタマいい~。洗濯屋にしとくのはもったいないわ。」


「ふっ。洗濯屋だったのは昨日までの自分。
過去なんてモンは三面記事と同じ、読んで忘れちまえばいい。」


ところがそうは簡単にいきません。


なんとハンドル操作を誤ったケンシロウの車が
林に突っ込み動かなくなってしまったのです。



しかも背後には、セル直結始動を果たした黒王号が
猛烈な勢いで迫ってくるではありませんか。


「早く、ここに隠れよう!」


二人は町の教会へと逃げ込みますが、
先ほど石でラオウに秘孔を突かれたケンシロウに異変が・・。




「目が・・目が見えない・・ユリア、ボクを置いてかないで。」

「どうしちゃったのよケン!」

「ラオウだ・・奴に秘孔を突かれてたんだ・・。ユリア、ボクちゃんを助けて!」


その時教会に現れたのはラオウ。

最初は恐怖で震えていたユリアでしたが、怒りの闘気を身に纏い、
堂々と教会内を闊歩するラオウの姿が
次第に彼女の目には頼もしいものに見えてきました。

チャラ男のケンシロウにはない野生、そして逞しさ。

やはり漢はこうでなくっちゃ──。

ユリアの中の本能がそう告げました。



「やっぱやめた。私ラオウにする。じゃ。」

力尽き息絶えるケンシロウを置いて、ラオウに寄り添い教会を後にするユリア。


地球最後の女──。

引かぬ、媚びぬ、顧みぬ。

まるでサウザーのような女であった。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


いかがでしたか?

巨匠ロジャーコーマンによる愛と野望の物語。

内容はこの通り、SFというより昼ドラなんですが、
わずか6日で撮った作品としてはこんなもんでしょう。

ところで本作

地球最後の女 アイ・アム・ウーマン・オブ・レジェンドLast Woman On Earth【特...
¥480楽天 と
呪われた海の怪物 CREATURE FROM HAUNTED SEA【特価】[DVD]
¥480楽天

この作品、同じロケと出演者でこらも6日で撮ったそうです。

値段もエコですが常人には耐えられませんのでご注意。