今回は、全国的にみても珍しい「男性歯科衛生士の数と実情」について紹介したいと思います。
そもそも知っていますか?男性の歯科衛生士さんが存在するということを。
僕は恥ずかしながら、つい最近まで知りませんでした。
なぜかというと、まず男性の歯科衛生士さんを見たことがありません。
それに僕が歯科技工士専門学校に通っていた頃は、歯科衛生士さんの校舎も近くにあったのですが、そちらは女性専用のものとなっていて完全に分けられていたために「歯科衛生士さんは女性だけのお仕事だと思い込んでいた」からです。
ところが男性の看護師さんが存在するように、もしかしたら男性の歯科衛生士さんもいるのでは?と思って調べたところ、ごくわずかではありますがいらっしゃいました。
なぜ彼らは歯科衛生士になることを選んだのでしょうか?
男性が歯科衛生士になることによっての、メリット・デメリットについても触れていきたいと思います。
それではさっそく見ていきましょう!
男性歯科衛生士の実情
厚生労働省から報告されている「平成28年度衛生行政報告例」で見る歯科衛生士の男女比は、
- 男性歯科衛生士:77人
- 女性歯科衛生士:123754人
男性でも歯科衛生士になりたいと思った理由
男性歯科衛生士の需要がどこまであるのかは未知数ですが、是非とも歯科業界を盛り上げる一員となっていただきたいと思います。
また、この方以外にも男性歯科衛生士の齋藤脩(さいとうおさむ)さんという方がいらっしゃいます。
出典:dStyle
この方の場合はもともと医療職に就きたいとの考えで、その中でも看護師と歯科衛生士に興味があったそうです。
看護師は人の生死に直面する機会の多い仕事であり、多量な出血を見る状況も多いため自分には難しいと思い、歯科衛生士への道を選択したとのこと。
歯科技工士は嫌だったんでしょうか(笑)
とにかく、男性であってもこの方達のように何かしらのきっかけが元で、歯科衛生士の道へと進んでいるのです。
近年増えつつある歯科衛生士の男子学生
現在発表されている最新のデータは、平成28年のものになります。
そのため現在(令和4年)では、もう少し人数が増えていることと思われます。
理由は、以下のデータを見て分かる通り、歯科衛生士を目指す男子学生が年々増えてきているのです。
令和2年には、過去最多となる58人の男性が入学しています。
出典:グッピー
僕はもうすでに歯科業界から身を引いた存在ですが、こうして徐々に人の数が増えていることを知ると、社会からその存在を認められてきたのかなと思い、正直嬉しくなります。
歯科技工士なんて平成10年から30年にかけて、全体数が2000人ほど減っていますからね・・
もしよろしければ、こちらの記事をのぞいてみてください。(ほんと悲惨ですから💧)
男性歯科衛生士のメリット・デメリット
メリット
- 重量のある機材などの持ち運びに対応できる
- 長期的に安定して働いてくれる(結婚・出産での退職がない)
- 女性が苦手な患者さんに対応できる
デメリット
- 男性の方が指が太いため、患者さんの負担になることがある
- 男性に歯石除去などをされたくない女性の患者さんには嫌がられる
-
収入面の問題で離職、他業種への転職の可能性がある
メリットの中にある、結婚・出産での退職がないというのは差別的に言っているのではなく、歯科衛生士さんの離職理由の第1位がそこにあることを先に言わせてください。
他には、女性の歯科衛生士さんに会えることを楽しみにしている男性ばかりではなく、苦手とする人もいるようです。
そのような人にとっては、男性の歯科衛生士さんに口腔ケアをしてもらえると助かるとの意見がありました。
デメリットとして一番納得のいったことは、女性の患者さんにとって男性の歯科衛生士さんに歯石除去などをされるのが嫌という意見です。
歯医者さんは治療のために仕方がないと割り切っていても、歯石除去などは汚いものを見られるのが嫌という意識が働くのかもしれませんね。
まとめ
- 現在分かっている男性の歯科衛生士数は「77人」
- 歯科衛生士の中で男性の割合はわずか「0.06%」でしかない
- 近年、徐々に歯科衛生士の男子学生が増えている
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