【歯石除去なら僕に任せて‼】全国的にも超珍しい男性歯科衛生士の数と実情について | dental-techniqueのブログ

dental-techniqueのブログ

元歯科技工士が自らの経験を踏まえて、歯科関係のお話を綴っています。

今回は、全国的にみても珍しい「男性歯科衛生士の数と実情」について紹介したいと思います。

 

そもそも知っていますか?男性の歯科衛生士さんが存在するということを。

 

僕は恥ずかしながら、つい最近まで知りませんでした。

 

なぜかというと、まず男性の歯科衛生士さんを見たことがありません。

 

それに僕が歯科技工士専門学校に通っていた頃は、歯科衛生士さんの校舎も近くにあったのですが、そちらは女性専用のものとなっていて完全に分けられていたために「歯科衛生士さんは女性だけのお仕事だと思い込んでいた」からです。

 

ところが男性の看護師さんが存在するように、もしかしたら男性の歯科衛生士さんもいるのでは?と思って調べたところ、ごくわずかではありますがいらっしゃいました。

 

なぜ彼らは歯科衛生士になることを選んだのでしょうか?

 

男性が歯科衛生士になることによっての、メリット・デメリットについても触れていきたいと思います。

 

それではさっそく見ていきましょう!

 

 

 

男性歯科衛生士の実情

 

厚生労働省から報告されている「平成28年度衛生行政報告例」で見る歯科衛生士の男女比は、

 

  • 男性歯科衛生士:77人
  • 女性歯科衛生士:123754人
 
このようなデータが出されています。
 
圧倒的に女性が多く、男性の歯科衛生士がめちゃくちゃ少ないですよね!!
 
歯科衛生士全体で見た男性の割合は、なんと0.06%でしかありません。
 
それでも歯科衛生士になりたいという「志」はどこからくるのでしょうか?
 
 

 

男性でも歯科衛生士になりたいと思った理由

 

 
こちらは2022年の今年、宇都宮歯科衛生士専門学校にて行われた入学式の様子です。
 
女性達の中に一人だけ赤いネクタイにスーツをまとった男性は、木村海都(きむらかいと)さん(20)。
 
創立以来、初となる男性の生徒だそうです。
 
歯科衛生士を目指そうと思った理由は、歯科衛生士の親類の影響を受けたため入学を決意したとのこと。
 
これ以上の詳しい理由は見当たりませんでしたが、よっぽど親類の歯科衛生士さんに魅力を感じたのでしょう。
 
なお、こちらの学校では2018年に男女共学になったものの、木村さんが入学するまでは全員女性だったそうです。
 
はたから見たら女の子ばっかりでハーレムやん♫とも思えるのですが、これだけ圧倒的に人数の差があると逆に恐怖ですね・・
 
よく入学したなと思います。
 
地元メディアでもニュースで取り上げるほどの珍しさのようです。
 

 

出典:youtube

 

 

男性歯科衛生士の需要がどこまであるのかは未知数ですが、是非とも歯科業界を盛り上げる一員となっていただきたいと思います。

 

 

また、この方以外にも男性歯科衛生士の齋藤脩(さいとうおさむ)さんという方がいらっしゃいます。

 

出典:dStyle

 

この方の場合はもともと医療職に就きたいとの考えで、その中でも看護師と歯科衛生士に興味があったそうです。

 

看護師は人の生死に直面する機会の多い仕事であり、多量な出血を見る状況も多いため自分には難しいと思い、歯科衛生士への道を選択したとのこと。

 

歯科技工士は嫌だったんでしょうか(笑)

 

とにかく、男性であってもこの方達のように何かしらのきっかけが元で、歯科衛生士の道へと進んでいるのです。

 

 

近年増えつつある歯科衛生士の男子学生

 

現在発表されている最新のデータは、平成28年のものになります。

 

そのため現在(令和4年)では、もう少し人数が増えていることと思われます。

 

理由は、以下のデータを見て分かる通り、歯科衛生士を目指す男子学生が年々増えてきているのです。

 

令和2年には、過去最多となる58人の男性が入学しています。

 

 

出典:グッピー

 

 

僕はもうすでに歯科業界から身を引いた存在ですが、こうして徐々に人の数が増えていることを知ると、社会からその存在を認められてきたのかなと思い、正直嬉しくなります。

 

歯科技工士なんて平成10年から30年にかけて、全体数が2000人ほど減っていますからね・・

 

もしよろしければ、こちらの記事をのぞいてみてください。(ほんと悲惨ですから💧)

 

 

 

 

 

男性歯科衛生士のメリット・デメリット

 

 

メリット

  • 重量のある機材などの持ち運びに対応できる
  • 長期的に安定して働いてくれる(結婚・出産での退職がない)
  • 女性が苦手な患者さんに対応できる

 

デメリット

  • 男性の方が指が太いため、患者さんの負担になることがある
  • 男性に歯石除去などをされたくない女性の患者さんには嫌がられる
  • 収入面の問題で離職、他業種への転職の可能性がある

 

メリットの中にある、結婚・出産での退職がないというのは差別的に言っているのではなく、歯科衛生士さんの離職理由の第1位がそこにあることを先に言わせてください。

 

他には、女性の歯科衛生士さんに会えることを楽しみにしている男性ばかりではなく、苦手とする人もいるようです。

 

そのような人にとっては、男性の歯科衛生士さんに口腔ケアをしてもらえると助かるとの意見がありました。

 

デメリットとして一番納得のいったことは、女性の患者さんにとって男性の歯科衛生士さんに歯石除去などをされるのが嫌という意見です。

 

歯医者さんは治療のために仕方がないと割り切っていても、歯石除去などは汚いものを見られるのが嫌という意識が働くのかもしれませんね。

 

 

 

まとめ

 

  • 現在分かっている男性の歯科衛生士数は「77人」
  • 歯科衛生士の中で男性の割合はわずか「0.06%」でしかない
  • 近年、徐々に歯科衛生士の男子学生が増えている
 
ちなみに初の男性歯科衛生士さんが存在したのは、平成24年(2012)のことだそうです。
 
まだほんの10年前のことだったんですね。
 
もしかしたら僕もいつかは男性の歯科衛生士さんに担当されることがあるのかもしれません。
 
そのときはどうか女性の歯科衛生士さんでお願いします(笑)
 
では、また。
 

 

関連記事