悪性黒色腫とは、黒色の病変で極めて悪性度の高い腫瘍であり、皮膚や粘膜に発現するものです。
早期に所属リンパ節、全身に転移しやすく、一般的に予後不良の疾患です。
原因は皮膚では、黒子やあざへの外因性刺激などが誘因とされていますが、口腔内の悪性黒色腫の発生原因はいまだ不明です。
なお、口腔に発症した悪性黒色腫は全悪性黒色腫の7~10%程度で比較的まれな腫瘍で、上顎歯肉や硬口蓋によく見られますが、その理由も不明です。
治療はリンパ節の郭清を含めた口腔から頚部にかけての外科手術が主ですが、化学療法なども補助的に行なわれています。
また、粘膜に黒色病変があっても、単なる口腔粘膜のメラニン色素の沈着症の可能性もありますので、専門医による鑑別を必要とするケースも多くあります。
悪性黒色腫は極めて悪性度が高く、予後も不良ですので迷われる場合には早期に歯科医院を受診して、ご相談される事をお勧め致します。