前回は歯科でいう「ブランドの正体」について迫ってみました。
自分の歯科医院を
理由はよくわからないがとにかく良い歯科医院だと思わせてしまう。
それが歯科のカテゴリーでいう「ブランドの正体」だというお話でしたね。
ブランドの考え方には様々な解釈があります。
牛丼でいう吉野家、時計でいうロレックス、車でいうベンツ
通常考えるブランドとはこういうものです。
そして
「○○先生のインプラント」「○○さんのSRP」
「あの著名な○○先生の使っている材料」などなど・・・
これは今まで正義だと考えられていた歯科でのブランドの概念
しかし
誰もが著名な先生になれるわけではありません。
みんなの技術があがれば更にその上の人間が現れるだけ。
人間に限定したブランドは青天井で終わりなどありません。
もちろんそれを目指したいのであればそれもありでしょう。
でも
ボクの提唱する「デンタルブランディング」では
院長自身ではなく医院そのものに人格を持たせるというのが目的なので
地域ではオンリーワンの存在になることも可能ですし
人間に持たせるブランドには時間的に限界があるのに対し
医院にブランドを持たせることができればそれは永続的なものになります。
ボクらはそういう「ブランディング」を目指していきたいと思います。
さて
「じゃあ実際自分の医院をどうやってブランディングすればいいのか?」
そろそろみなさんもそんなストレスを抱えだしたころかもしれません。
ココまでは結構「フワッ」とした話が続きましたので
「何となく言ってることはわかるけど、じゃあ実際どうすればいいんだ?」的な。
整理したいと思います。
前回ブランドとは「何となく良いもの」という定義付けをしました。
つまりこれは「人の無意識を刺激する」ものだという考え方ができると思います。
さてここで一つ仮説をたてたいと思います。
「無意識を刺激する」ということは・・・
それは「人の五感を刺激する」という考え方と同意義語であると思いませんか?
人の五感をプラス方向へ刺激することで
「理由は分からないけど何となくこの医院は良い病院だ」と思ってもらう。
そしてそう思ってもらうように自分の医院を再構築することを
「デンタルブランディング」だということだと考えてみる。
さぁどうでしょう?
自分の医院をブランディングする準備がだんだん整ってきましたね。
ココからは実際にワークをやってみましょう。
ワーク内容は表題にある「自分の医院を分解してみる」
自分の医院を五感に分けて分解してみたいと思います。
でも突然やれと言われてもよくわからないと思いますのでココで例を一つ
「いわゆる」今までの一般的な患者さんが持っている歯科のイメージを
実際五感に分けて分解してみたいと思います。。。
まず「視覚」
これはどうでしょう?
「四角い外観」「無機質な白い内装」「白衣」「みんな尖ってる削る機械」などなど・・・
あまり良いイメージはないとはいえ最近は多少改善されつつあるこの「視覚」。
なぜ改善されつつあるかというと改善が簡単だからなんですね。特に深い意味はない。
そしてこの「視覚」の改善はデンタルブランディングの本質からいうと
実はあまり大きな割合ではなかったりします。
簡単に改善できるという事も関連していますが、まぁ詳しくは後ほど。
次が「聴覚」
これは歯科にとってかなりネックですね。。。
「タービン」「バキューム」そして「BGM」、「子供の泣き声」なんてのもあるかも?
さぁどうでしょう?あなたの医院では何か工夫が凝らされていますか?
3つ目は「嗅覚」
これもまた歯科の世界では大きな障壁の並ぶゾーンです。
「ホルマリン」「ユージノール」「即重レジン」、その他薬品類
あなたの医院の「匂い」はどんな感じですかねぇ?
さて次は「味覚」
口腔内を中心に治療を行う歯科の世界では味覚はもうどうにもならないか?(笑)
「レジン系」「シンマの液」「アルジネートなど印象材」、その他薬品
避けられない感じもしますが・・・
五感の最後は「触覚」
これはちょっとニュアンスが難しいかもしれません。
例えば「チェアーの冷たい感じ」「器材などの金属が口の中を触った感じ」
「待合室のビニル製のベンチ」や「床のタイルの無機質な感じ」などなど
全体的には「無機質で冷たい」そんな雰囲気がありそうです。
さぁどうでしょう?
とりあえず一般的な歯科の「イメージ」を五感に分けて分解してみました。
まぁしかし驚くほどどれをとっても良い感じのするイメージはありませんが・・・
ぜひ怖がらずにあなたの医院も冷静に正確にそして客観的に分解してみてください。
そしてできれば5感それぞれに対して
□改善するためにすでに行っているもの
□改善しようと思っているが出来ていないもの
□改善ができないと思っているもの
□まったく意識していなかったもの
こんなふうに分けておいていただくことができると
これからのお話をさらに深く理解できるのではないかと思います。
さて次回はこの分析結果を元に
実際に自分の医院をプラスの方向にブランディングしていくための
ヒントなんかをお話していきたいと思います。