
独特な葉と個性的な花を咲かせるネムノキは、とても魅力的な樹木。
夜になると眠る木であることから「眠りの木」と呼ばれ出したんだょ♡
その呼び名が転訛して、今の「ネムノキ」という呼び方になったんです
地方によっては、
・京都府では「眠りの木(ねふりのき)」、
・大分・宮崎県では「眠り子(ねむりこ)」、
・宮城・山形県では「眠た木(ねむたぎ・ねぶたぎ)」
などと呼び方が異なりますが、いずれもネムノキの特性である、眠りにまつわる名前で呼ばれています
大分・宮崎県の「眠り子(ねむりこ)」可愛いね♥w
朝になって明るくなるとネムノキは光を感じて開きます。
夕方に太陽が沈むと光が無くなったことを感じて葉を閉じます。
すべての植物は光を感ずる装置をもっています。
チューリップやクロッカスの花も同じように朝開き、夕方閉じますが、これらは光ではなく温度を感じて開閉しています。
夜になると眠る木
ネムノキの葉は、葉の1枚ずつを見ると鳥の羽にそっくりな形をしています。
葉柄の両側に小さな葉がいくつも連なっている、ネムノキの形状のような葉は「羽状複葉(うじょうふくよう)」と呼ばれます。
その個性的な美しい葉は、夜になると左右の小さな葉をゆっくりと閉じていき、朝になるとまた葉を広げるという不思議な性質を持っています。
これは「就眠運動」というものですが、夜間に葉から水分を蒸発させないための運動だと言われています。
朝起きて夜眠る人間の生活リズムに似ていますよね
独特なネムノキの花
ふわふわとした細い糸状の花びらが束ねられたようにまとまり、花火の柳を逆さにしたような繊細な花姿です。
枝先には20個ほどにもなる丸く小さいつぼみが付きますが、そのひとつひとつが少しずつ綻んでいき、糸をほぐすようにして花開きます♪
特にピンク色の花が美しく、花の中心から先端に向かって広がる淡い桃と白のグラデーションが見事ですよ。
夏の夕方頃にほんのりと甘い香りを漂わせながらネムノキが咲くと、辺りに神秘的な雰囲気が生まれます
花言葉の由来
ネムノキには、「胸のときめき」「夢想」「安らぎ」「歓喜」「創造力」の花言葉があります。
それぞれの由来についての確証はありませんが、「夢想」「安らぎ」はネムノキの夜に眠る性質から思い浮かべられた言葉でしょう。
ネムノキは夏場に咲く花ですが、日中の暑さが和らぎ、涼しくなってきた夕暮れ時に甘い香りを漂わせながら花が咲くので、「安らぎ」の花言葉が付けられたのかもしれませんね
「胸のときめき」や「歓喜」の花言葉は、夫婦円満のシンボルとされていることから連想されたものだと考えられています。
「創造力」の花言葉は、歌に詠まれるほどの情緒ある魅力を持つネムノキの、創造力を搔き立てるような花姿にちなんでいるのかもしれませんね。。。
薬用効果のあるネムノキ
中国に言い伝えられている逸話も、花言葉の由来のひとつだと言われています
いつも機嫌が悪く怒ってばかりだった夫に、見かねた妻がネムノキの花を混ぜた酒を飲ませました。
すると夫は、今までの機嫌の悪さや癇癪がまるで嘘のようになくなり、機嫌良く朗らかになったそうです。
夫が和やかになった家族は、それから仲良く暮らしたと言われています。
このような言い伝えを元に、中国医学においてはネムノキの花を不眠解消や精神安定の効果がある生薬として使っていました。
ネムノキの樹皮にはタンニンが含まれていて、強壮、鎮痛効果があり、花と同じく不眠への効果もあると考えられています
樹皮を乾燥したものは、鎮痛、腰痛にも効果があり、打撲や捻挫には樹皮を黒焼きにしたもので作った湿布が処置として使われました。
江戸時代の本草学者も、
「この木を植えると人の怒りを除き、若葉を食べると五臓を安じ、気を和らげる」
というように、ネムノキにまつわる不思議な話や、薬用効果について記述しています。
一説によれば、ネムノキには邪気を払う力もあるそうです。

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これで終わりです