2024年6月公開作品。
2007年の台湾映画を日本映画として京本大我さん、古川琴音さん出演でリメークした作品です。
この先ネタバレ有り、注意!!!!!
京本大我さん演じる音大生の樋口湊人は、誰も立ち入らなくなった大学の旧校舎で、古川琴音さん演じる内藤雪乃と出会います。
二人は互いに心を寄せるのですが、ある日を境に雪乃は姿を見せなくなります。
そして明らかになる雪乃の秘密とは。
という恋愛物語です。
秘密が明らかになってからの展開は、涙無しでは観れませんでした。
まさかそういう真相だったとは。
終盤に明かされる真相は私には予想外でした。
二人の恋の行方に切なく愛おしい気持ちになりました。
張り巡らされた伏線が回収される終盤の展開も見事です。
と手放しで絶賛したいところですが、映画の序盤は気になる点もありました。
湊人が雪乃に興味を持つのは彼女のピアノを聞いたことがきっかけと一応の説明はつくのですが、雪乃が湊人に好意を抱くのは何の理由もありません。
主人公の湊人は海外留学で夢破れて帰国し、やさぐれている面倒くさい男ですので、雪乃が出会ってすぐに惹かれる要素が見当たりません(強いて言えばルックスくらい)。
なので二人の距離が近くなるのが早すぎるように感じられました(湊人のピアノを聞いてから好きになるのなら分かるのですが)。
京本大我さんのファンの方ならば、主人公に一目惚れする展開も気にならないかもしれませんが。
一方、ミステリアスなイメージのある古川琴音さんですが、今作ではヒロイン雪乃役を秘密はあるものの普通の女性として魅力的に演じています。
観賞後に心に残る作品でした。
この映画を観賞後、オリジナルの台湾版も観てみました。
伏線や真相の見せ方は日本版の方が分かりやすく感じました。
日本版にあるおもちゃのピアノの伏線などは、本作の真相と重なって上手い小道具だと思いました。
ただ台湾版では重要だった解体間近の旧校舎という設定が、日本版では生かし切れていない点は惜しいところです。
主人公のキャラクターも日本版の方が深く描かれていましたので、二人の出会いの意味がより深く感じられました。
ラストは台湾版と日本版は異なります。
どちらが良いかは好みの問題ですが、日本版の結末が可哀想だと感じた人は、台湾版を観ると救われる気持ちになると思います。
私は日本版の方が好みでした。
私の中では、これまで今年観た映画の中でベスト3に入る作品です。
予告編で気になった方や出演者のファンの方ならば、きっと満足できる映画だと思います。