2022年6月公開作品。
2021年に開催された東京オリンピックの記録映画。
監督は河瀬直美さん。
海外で数々の賞を受賞されている監督ですが、私はほとんど作品を観たことがありませんでした。
映画館でこの方の監督作品を観るのはこれが初めて。
記録映画ですが、作中に登場する競技はかなり限られています。
柔道、女子バスケット、跳馬、スケートボード、サーフィン、ソフトボール、ハンマー投げ、トライアスロン、女子マラソン……。
大体これくらいだったはず。
レスリングや野球など日本人が活躍した競技や、陸上競技や水泳の大半は描かれること無く終わります。
描写されても結果が描かれること無く終わる競技も多い。
ワクワクもしないし、高揚感もほとんど無く終わる。
オリンピックのダイジェスト的なものを期待していくとかなり肩すかしを食らいます。
そういうものはNHKの番組ですでに放映している訳ですから、映画はそれとは違う路線になるのは致し方ないのかもしれませんが。
そういえば過去に市川崑監督が製作した1964年の東京オリンピックの記録映画もそういう点で議論を巻き起こしたらしいですね。
私の生まれる前の話ですが。
市川崑監督の東京オリンピックは好きな作品です。
終盤の男子マラソンの描き方は面白かった。
今回の河瀬直美監督作品は、女性監督だけあって、女性目線での描き方が印象的でした。
母として競技に臨む選手の姿が特に印象に残りました。
個人的には男子柔道の場面は無くても良かったかな。
あの辺りだけ、作品全体のバランスから外れていた気がする。
今回の作品は『SIDE:A』ですので、数週間後には『SIDE:B』が上映されます。
こちらはオリンピックの裏側を描くことになるらしい。
ドキュメンタリーとしてはむしろこちらの方が面白いかもしれない。
ただ、選手が主役のオリンピックで、一本の映画として裏方を描くのは余計な気もするが。
今回の映画の出来がそこそこだったので、次回公開の『SIDE:B』は、もしかしたら映画館では観ないかもしれません【観てきました。感想はこちら→映画『東京2020オリンピック SIDE:B』感想 】
この映画、日曜日に観たのですが、観客も少なかったのが気がかりです。