※ 続きです!

 

 こんな(物凄い)総師範が「人間じゃない!」というような大山倍達先生が(悪い意味での)「噂」だけの訳がない。そんなスゴイ人に育てられたから総師範もスゴイのだし、安田先生、黒崎先生、石橋先生、南本先生たちのような方が弟子になるくらいなのだから本当の意味での「達人」だったのでしょう。

 

 話を戻します。

 

 ある時、総師範が大山先生にどうやって牛を倒したのかを聞いたそうです。その時の答えが、以下のものです。

「牛は正面から攻撃しても全く通用しない。「闘牛」というのは、同じくらいに大きくて力のある牛同士で頭をぶつけ合うのだから人間の力では太刀打ちできない。あの角なんか正面からではハンマーで叩いて折れるものじゃないが、後ろからはそれほど強くはないのだ。しかも強い角で守らなければならない急所がそこにある。だから角の後側から叩いて、角をへし折るとその衝撃で牛の頭蓋骨に亀裂が入り倒せるのだ」

 この話が本当かどうかはわかりませんが、大山先生が総師範に教えてくれたそうです。頭蓋骨を割って倒せるかどうかはわかりませんが、人間など軽々と投げ飛ばしてしまう重量級の「闘牛」を抑え込んで、急所を叩くだけでも普通の人間にできることではありません。

 

 大山先生にあやかってという訳ではありませんが、総師範も若いときに動物と戦ってみたことがあるそうです。しかも「牛」ではなく「豚」を相手にしたそうです。豚とは言っても大型のものは人間の数倍にもなりますので、総師範がいくら攻撃しても全然効いた様子がなく、まさに「歯牙にもかけない」状態だったそうです。豚は総師範を相手にもせず悠々と尻を向けたのですが、その股間から何かがぶら下がっていたのに気付きました。そう「金玉」です! それを思いっきり蹴り上げてやったら、豚は悲鳴のような鳴き声を上げて卒倒してしまったそうです。

 

 う〜ん、豚に同情してしまいます。

 

 ちなみに、その時の証人と言いますか、立会人は 黒崎先生 だそうです。