注:みなさん、今回はハンカチの御用意を


僕は3人兄弟の末っ子だ。
8つ上の兄と、6つ上の姉がいる。

子供の頃、TVのチャンネル権は多数決で決まる。
当時、僕はドリフが見たかった。
でも兄と姉はひょうきん族を見たかった。
当然チャンネルはひょうきん族だ。
兄と姉がひょうきん族で大爆笑している。
小さい僕には面白さがわからない。
兄と姉に聞く。
「今の何で面白いの?」
すると「わからない奴はいいんだよ」と言われた。

悔しかった。


僕はひょうきん族を必死に見た。
とにかく兄と姉に追い付きたかった。

だから、必死に見た。


翌日学校に行くと、みんなドリフの話で盛り上がっていた。

悔しかった。


何で兄弟で僕だけ年が離れてるんだろうと思った。
本当に悔しかった…。




うちの両親は共働きだった。
小中学校のイベントには、親が忙しいと代わりに兄と姉が来てくれる事があった。

小3の父兄参観の時には、当時17歳の兄が学ラン姿で来てくれた。
父兄参観だ。
文字的には母親が来てる方がおかしい。
でもそんなの通じるわけもなく、周りの親はヒソヒソ話を始める。
「何あの子」
「学校間違えちゃったんじゃないの?」
「アハハハハ!」
散々な言われようだ。

でも兄は、そんな事は一切気にせずに、僕に手を振ってくる。


カッコいいと思った。




小6の運動会の時にも、当時20歳の兄が来てくれた。
親子参加の2人3脚があって、僕は兄と走った。
独走の1位である。
すると友達が
「ずるいよ」
「インチキだ」
「親父がジジイだからアニキ連れてきたんだろ」
と言われた。
僕は泣きそうになった。

でも兄は「帰ったらお母さんたちに自慢しような」と言っていた。


カッコいいと思った。




中学の卒業式の時には、当時21歳の姉が来てくれた。
最後、在校生が囲んでくれた門までの道を、親子で進むのだが、並んでいると周りの親がヒソヒソ話を始める。
「若いわね」
「再婚かしら?」
「やらしい」
僕はたまらなく恥ずかしかった。
でも、そんな声が聞こえても、姉は笑顔で「帰りに美味しいもの食べてこ」と言ってくれた。


カッコいいと思った。




年が離れた兄弟も悪くない (^-^)