今回は三端子レギュレータを使用して12Vから5Vを作り出したいと思います。

 

・なぜ三端子レギュレータを使うのか

なぜ三端子レギュレータを使わなければならないのかと思う人もいるかもしれません。
 
それは電圧の違いです。
例えばここに12Vのバッテリーがあるとします。
 
この12VバッテリーでArduinoを動作させたいです。
この状態で12VをArduinoの5Vラインに接続しました。
 
するとどうなるでしょうか。
 
おそらく煙がモクモクでてきます。
 
身の回りの物には使用できる電圧が決まっています。
例えばスマホの中にはリチウムイオン電池が入っていますが、これは3.7Vくらいです。
 
Arduinoは5V ラズベリーパイというコンピューターは3.3Vで動作します。
 
そのため電圧が違う機械は電圧を変えてあげないと使えないのです。
 
ちなみにこの電圧を変えることを変圧と言います。
 
 

・三端子レギュレータの基礎

 
三端子レギュレータは別名リニアレギュレータとも言います。
(正確にはリニアレギュレータと言うのは複数種類あり、そのうち1つが三端子レギュレータというものらしいです)
 
では今回は12Vを入力し、5Vを出力させます。また負荷は100mA一定に流れる定電流負荷だとします。
 
 
まあ難しいことを書いているかもしれませんが、とにかく出力に100mA流れていると思ってください。
 
するとあら不思議 なぜかINPUT側にも100mA流れます。
 
そうなんです。実は三端子レギュレータのINPUTとOUTPUTの電流値はほぼ変わらないのです。
 
電力で考えると
 
P = V I
 
Pinput = 12V × 100mA = 1.2W
 
Poutput = 5V × 100mA = 0.5W
 
では入力と出力の電力が変わりましたね。
 
1.2W と 0.5W
0.7W分はどこに行ってしまったのでしょうか。
 
それは熱になったのです。
 
勘の良い人は分かると思いますが、三端子レギュレータは電圧の差を熱として放出します。
そのため効率がよい変圧方法とは言えません。
ですが、設計がとても楽だったりとメリットが多いためよく使われます。
 
 

・設計する

今回は一つ20円で購入できる三端子レギュレータ 78L05を使用します。
 
 
ちなみに私の持っている78L05は既に廃盤になってしまっているもののため、今現在販売している物とは違いますが、ご了承ください。
 
ですが、まあほぼ同じ物なので大丈夫だと思いますが。 
 
東芝様TA78L05 データシートの応用回路です。ぶっちゃけ応用ってこれしか無いんですけどね。
 
RSD抵抗は入力電圧が大きすぎる場合の保護目的だそうです。
今回は12Vのため必要ありません。
 
D1はVOUTがVINよりも大きくなってしまったときの保護目的です。
たとえばVOUT側に大きなコンデンサなどをつけると一時的にVOUT > VINが成立するようです。今回こちらはつけません。
 
また一応許容損失を計算しなければなりませんが、今回はLED1つを点灯させるだけなので計算しません。

・早速作っていく

0.33uFのセラコンが手元になかったため1.5uFのセラミックコンデンサを使用しました。
また今回LEDキャップを買ってみたので使ってみました。
 
画像的にはどうなんでしょうか。
 
ちなみに左側のDCジャックは秋月またはAmazonで購入できます。
 
私は秋月電子通商で購入しました。
 

・結果

そもそもなぜオシロスコープを電圧計代わりにしているのかは突っ込んだら負けです(笑)
 
変圧後の5Vの電源です。確かに5Vに変圧されていますね。
 
ちなみにLED1つ程度では熱はほぼ0です。
 
 
 
簡単に使えますので是非使ってみてください。