世の中には

「良い人なんだけど、口が完全にフリースタイル」

というタイプの人間が存在する。

 

仮にナンさんと呼ぼう。

 

 

ナンさんは超おしゃべりだ。

悪意はない。むしろ善人。

ただし情報の守秘意識が平成初期レベル。

 

私は前々から警戒していた。

「この人、知ってること全部共有フォルダに入れてるな」と。

 

 

 

 

 

 事件は突然に

 

 

 

ある日、何の前触れもなくナンさんが来た。

 

ナンさん

「ねぇ、ベレー帽、知ってる?」

 

「え?」

 

この「え?」が致命傷だった。

この一音で私はゴシップ裁判の陪審員席に座らされた。

 

ナンさん

「AさんとBさん付き合ってるんだって、ふふふ……

 絶対に言わないでよ?」

 

ちょっと待ってほしい。

聞きたくないのにもう聞いてる。

しかも「言わないでよ?」という呪文付き。

 

これ、

・聞く → 共犯

・言う → 処刑

・忘れる → 不可能

 

完全に詰みである。

 

 

 

 

私の選択:聞いてない体で生きる

 

 

数日後、Bさんがやってきた。

 

Bさん(気まずそう)

「ねぇ……ナンさんから、

 私がAさんと付き合ってるって聞いたよね?」

 

来た。

ついに来た。

私は一瞬で社会人スキルMAXを発動した。

 

「え?知らない。そうなの?」

 

大人の対応。

嘘というより、存在しなかった記憶を採用しただけだ。

 

 

 

 

しかし現実は優しくない

 

 

Bさん

「え!?でもナンさんが

 『ごめん、ベレー帽に秘密話しちゃった』って言ってたけど…」

 

……。

 

……え?ちょ、まて。

 

いやナンさん????

 

「言わないで」って言ったよね?

私、ちゃんと聞いてない演技したよね?

それなのに、

 

「秘密話しちゃった」

 

って何??

それ、私を

・嘘つき

・噂の中継局

に格上げしてない???

 

 

 

何とかその場は誤魔化した。

笑顔も出した。

大人力も使った。

 

でも心の中ではずっとこれ。

 

「私は何もしてないのに!!!!」

 

聞いただけ。

いや、聞かされた。

いや、聞かされてすらいない体を貫いたのに。

 

後味だけが、

・ぬるい

・重い

・微妙に自分が悪い感じ

 

という最悪のコンボで残った。

 

 

 

 

教訓

 

 

・「絶対言わないでよ」は前振り

・おしゃべりな人の秘密はすでに公的情報

・沈黙しても疑われる世界がある

・ゴシップは聞いた瞬間に所有権が移る

 

そして何より、

 

噂話は断れない呪いである。

 

今日もどこかで、

誰かが「え?」と言った瞬間、

静かに地雷を踏んでいる。

 

 

 

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ウソ発見機だって、ナンさんに嘘はない、、