長かった高知の旅もついに最終日。でも話はもう少し続きます。

 

室戸の宿で一泊してから翌日は室戸海洋深層水アクアファームへ。

中は誰でも自由に無料で見学できます。

海洋深層水、それは1920年代のキューバで行われたフランス人科学者の研究から始まった。

室戸では1989年に取水開始し、研究活動を行ってきました。

海洋深層水は新たな地球資源としての可能性を秘めているのです。

海洋深層水って何だろう?

海洋深層水とは、水深200mより深いところにある海水のことで、太陽光がほとんど届かず、年間を通じて温度が安定している層より深いところにある海水を言います。

表層水と比べると主に3つの特徴があります。

  1. 低温安定性:年間を通して約9.5℃と安定している
  2. 富栄養性:窒素やケイ酸などを多く含んでいるので海洋深層水が湧き上がると植物プランクトンが発生し、それを食べる魚も多い
  3. 清浄性:大気からの汚染が少ない。ミネラル特性も

海洋深層水を使った商品。スポーツドリンク、調味料、化粧品など

CMやスーパー等でたまに見かけるこれも海洋深層水商品。

 

深海の生物パネル展示コーナー

この辺は水族館っぽい雰囲気が漂います。生物はエビカニ類が多いけど

マニア心をくすぐる海洋生物のフィギュアなんかも飾ってありました。

 

海洋深層水取水口

アクアファームでは全長3125mにもなるパイプです。

 

制魚装置ストレーナ。

海洋深層水を汲み上げるときに一緒に魚などの生物が迷い込んでしまうことがあるので、それを受け止める装置です。

そうして迷い込んでしまった生物の一例。

 

実際にここではそうした生物の一部が展示されているのを見ることができます。

ちょっと珍しい深海生物も

それがコレ!

ミクロドイバラモエビ。

見た目3㎝ほどの小さなエビですが、2003年に新種と認められたエビです。

なので文献も少なく生態もよくわかっていません。

実は高知県海洋深層水研究所と海遊館は共同研究を行っていて、現在このミクロドイバラモエビを海遊館でも見ることが出来るようになっています。

↓の写真は海遊館での展示の様子

小さいので上手く撮れない(T_T)

それが水族館で展示するのはなんと世界初なのです!!

海遊館ブログ:深海の小さな生き物たちVol.13

高知県室戸市の深海生物4種が大阪・海遊館で展示 新種初公開:高知新聞

わざわざここを訪ねた理由がおわかりいただけたでしょうかウインク

たかがこんなエビ、されどエビですよ。

先にも述べましたが、海洋深層水から一緒にやって来る生物はまだまだ未知のものがいるため、そこで海洋生物の専門家である海遊館がここと共同研究を行っているわけです。

高知)深海魚を共同研究 海遊館と海洋深層水研究所:朝日新聞デジタル 

 

ところでこのミクロドイバラモエビというまるで呪文のような不思議な名前の由来は一体何だと思いますか!?

小さいのでミクロ、ではありません。このエビが発見された室戸に弘法大使が悟りを開いたとされる洞窟、御厨人窟(みくろど)に由来するのです。

その洞窟、このすぐ近くだから行ってみました。

周辺にある海洋深層水関連施設。

 

到着。ふむ、なるほどここがかの「みくろど」か!

洞窟の入口。

穴は右と左の2つあります。

本当は中に入ることも出来たそうですが、落石の調査中で入ることが出来ませんでした。

こういう所には自然への畏敬の念を抱かずにいられません。

さらにこのすぐ向かい側には驚異の奇岩が織りなす絶景が待ち受けていましたがそれはまた次のお話。

つづく。