Z1000に取り付けているキャブレターを清掃、カスタムします。


負圧キャブが取り付けられているのですが、調べたところZ1000JのBS34が流用されているようです。

Z1000Rと同系統のキャブでコースティングエンリッチャーと呼ばれるエアカットバルブの有無が見分けるポイントのようです。


分解する前のひと工夫としてスロットルワイヤーステーを加工しました。


スペーサーカラーのカシメを削り取り外します。

こうすることでZ1系のスロットルワイヤーがしっかり取り付けできるようになります。



ひとまず分解して清掃しました。

経路へエアーとパーツクリーナを吹きかけます。

ガソリン固着などもなく綺麗なキャブでした。


バタフライの偏摩耗やひどい腐食もないので部品を更新するだけで問題なさそうです。


取り付けられていたパイロットジェットが#37.5。

パワーフィルター仕様ですので#40へ交換しました。

また、メインジェットが#127.5とこちらも純正セッティングのままでしたので、#145へ番手をあげました。


そして、+αのカスタムとして、

ストックしてあったGPz用のダイノジェットST3を組み込もうと思います。(GPz750のキャブは同じBS34です。)

負圧キャブへパワーフィルターを使用した際に使用するパワーアップキットです。

負圧キャブ&パワーフィルターでパワーを出すためにはこのキットの取り付けが必須だと思っています。※米国製のキットなので説明書が全て英字表記となっています。


やることとしては、

1,メインエアジェットへ専用品を打ち込む

2,バキュームピストンの負圧穴拡大

3,バキュームピストンスプリングの交換

4,ニードルジェット、MJ、PJの変更、パイロットスクリューの調整

です。


まず、メインエアジェットに付属パーツを打ち込みます。


穴径が小さくなることで流速があがりより小さい負圧でガソリンが吸い上げられるようになる=濃くなります。

パワーフィルターで高速域のセッティングへ合わせると下がぐずぐずになってしまうのはこのエアジェットを変更しないためです。

ここを絞り濃くすることで全体のバランスが取りやすくなります。



次にバキュームピストンを付属のドリルで拡大します。

負圧穴を拡大することで純正より大きな負圧がバキュームピストンに発生するためレスポンスアップにつながります。

ボール盤を使って真上から穴を空けるよう心がけました。×4個


その他、ニードルやメインジェットもダイノジェット専用品があるのですが、Z1000Jのニードルは先細りタイプのため純正ニードルの段上げにて対応できると見込みました。

また、バキュームピストンスプリングも専用品があるのですが、私は純正スプリングを加工しました。

カットして伸ばして組み込んでエアーをかけてを繰り返して、合計3cmカットし2cm程引き伸ばしたところで落ち着きました。

3cmカット自由長純正比−1cmの低レート仕様になっています。


今回のセッティングは

MJ#145

PJ#40

ニードル#4

スクリュー2回転戻し

となっています。

安全のためにMJが濃いめに出る想定です。


最後に油面をチェックして今日の作業は完了です。


大きな問題はありませんでしたが気になる細々としたところの手入れをしてから車両に取り付けようと思います。


1,ダイヤフラムに硬化が見られるため張り替え

2,ネジ山が舐めている箇所があるのでリコイル 

サイズm5 0.8 で手元にないので部品を発注。

また、使用されているネジ類の山も怪しいため新品に交換しようと思います。


せっかくカワサキ純正CVKキャブが取り付けられてあるので調整してポテンシャルを引き出して楽しみたいと思います。