カムシャフトの豆知識

エンジンの要ともいえるカムシャフト。

GS400には3種類の純正カムがあります。

前期、後期、ヨーロッパ輸出仕様のローカムです。


中でもカム山が1番高いのは後期カムになります。この後期カムはプレミア価格で販売されていますがGS425カムと同等のものになります。

中古で安価に入手したい場合はGS425用のカムシャフトがおすすめです中古品の場合は綺麗に見えてもジャーナル部がやせている、カム山が擦り減って使用限界を迎えているといった粗悪品がとて多いです。購入の際は出品者に確認するなどして注意しましょう。

 


カムシャフトについて

各部規定値(詳細はサービスマニュアル参照)


ホルダー締め付け時のジャーナルクリアランス潰したプラスチゲージの幅0.020〜0.054mm

純正初期カム

INカム山:36.295mm36.265mm 

EXカム山:35.765mm35.735mm

後期カム

INカム山:36.400mm36.190mm

EXカム山:36.050mm~35.790mm



上がWebハイカムST1

下が純正初期カム

ST1はノーマルエンジン向けのカムシャフトです。

そのため、リフト量は若干のプラスにとどめ、作用角を大きく変えることで吸排気量を増やしているタイプになります。



カムスプロケットについて

カムスプロケットについても初期440と後期4502種類あり、440が30丁、後期の450は31丁でカムチェーン半コマ分ズレるようになっています。450のものの方が進角される分パワーは出るようです。



カムチェーンの取り付け位置がクランクシャフトギヤの合わせ位置からずれている車両もあるのでリンクのコマで合わせるのでなく、仮組してバルブとピストンの動きを見て合わせると間違いがありません。


※いずれにせよ、2番ピストンが上死点を迎えた時にカムシャフトの切り欠きが水平になるように設置。






本来はスプロケットの取り付け穴を長穴加工してバルブタイミングを変更する必要があります。

※メーカー規定値としてWdbハイカムST1は純正から吸排気ともに3度進角させる必要があります。また、面研などによりシリンダーヘッドの厚さが変わっている場合も長穴加工によりバルブタイミングの調整が必要になります。



私は3度程度の進角であれば純正スプロケットを反時計回りへ力を入れつつ締め込めば通常使用域での不満は出ないだろうとそのまま組み込んでしまいました。



長穴加工時のバルブタイミング調整は素人がやると長穴で遊んでしまいバルブタイミングがずれてピストンとバルブがヒットして壊れてしまいまったという話も聞くのでしっかりとしたところへ依頼した方が良さそうです。



基本的にピストンが上死点から下がり始めたら吸気カムがバルブを押し下げるよう、プラグホールからバルブとピストンの動きをチェックすると間違いないと思います。


 組み込み後はレンチでクランクシャフトを回しバルブヒットしないか確認しましょう。


吸い込み音はバルブタイミングで出すのではなく、キャブレーターとエンジン圧縮の状態が良ければ勝手に出てしまう音だと思っています。遊び心でエンジンを壊すことのないよう注意したいです。